【#タムロンおうちフォト】写真家 大村 祐里子氏がタムロンSP 90mm F2.8 (Model F017)で撮るおうち写真:お料理編

おうちで過ごす時間が増える中、今だからこそ楽しめるタムロンレンズを使った「おうちの中で楽しむ写真」にフォーカスを当て、室内で撮るコツや被写体の見つけ方、切り取り方、周辺機材を活かした撮影テクニックなど、4名の写真家による【#タムロンおうちフォト】の楽しみ方をご紹介します。

写真家 大村 祐里子氏 タムロンSP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)で撮るおうち写真

なかなか屋外に出られない今日このごろ。おうちの中でも写真を撮りたいなあ、とお考えの方。手軽で身近な被写体である「お料理」の撮影はいかがでしょうか。

一枚目の写真( 焦点距離:90mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200)

私は、おうちで過ごす時間の記録として日々のお料理を写真におさめ始めました。撮り方次第で美味しそうに見えたりするのがとても楽しく、最近ではすっかりとお料理の撮影が習慣になってしまいました。

そんなお料理の撮影で愛用しているのがタムロンのマクロレンズです。今回は、キヤノンEOS Rに「タムキュー」の愛称で親しまれているTAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD(Model F017)を装着して撮った写真をご紹介します。

記事の中に登場するお料理はすべて自分で作っています。調理の達人ではないので、大目に見ていただけると嬉しいです。作るのが苦手な方は、お惣菜や既製品のお菓子などを撮影してみても良いと思います。

お料理を美味しそうに見せるために

美味しそうなお料理写真を撮るために覚えておきたいこと、レンズはもちろんですが、「光」をちょっと工夫するだけでぐっと見栄えがよくなります。ポイントは「影」の出し方。窓からの光や照明を使って影を出してあげると、お料理の表面の質感がわかるようになります。また、素材が立体的に感じられるので、より美味しそうに見えます。影の分量は、自分の撮りたいイメージに合わせて調節しましょう。

では、どういう光がお料理を美味しそうに見せてくれるのでしょうか?お家で実践できる光のパターンをいくつか用意してみましたのでご覧ください。

お家に窓がある方は、窓の近くに果物やお菓子などを置いて、実践してみてください。窓がない方は、卓上ライト(ある程度大きな面積に光を当てられるもの)などで照らしてみてください。その他、あると便利なものは、レフ代わりになる「ノート(中のページが白いもの)」です。お皿になにか乗せる場合は、光を遮らない、平らなものを選ぶと撮りやすいです。

影をつくる光のパターン

正面からの光

焦点距離:90mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200

正面からの光です。影があまりなく、平坦な印象です。

真上からの光

焦点距離:90mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:200

普段わたしたちが食卓で見ている光に近いものとなります。影は真下に出て、ハイライトもほとんど入らないのですが、親しみやすい雰囲気の仕上がりとなります。

左上:真横からの光(レフなし)
真横からの光です。反対側に影が出ます。質感が出て、一気に立体的になりました。

右上:真横からの光(レフあり)
影が和らぎ、適度な立体感が生まれました。かっちり、スタンダードな感じです。

左下:半逆光(レフなし)
ななめ後ろからの光です。ハイライトが強めに入り、影も大きく出るので、かなり立体的な雰囲気になります。食材の照りなどもよく描写できます。

右下:半逆光(レフあり)
ななめ後ろからハイライトが⼊り適度な⽴体感が出つつ、正⾯もある程度明るくなります。私はこの光が好きです。

慣れてくると、撮りたいイメージごとに光を変えたりして、家の中でも十分に楽しめるようになります。ぜひいろいろな光を試してみてください。

筆者の撮影環境について

自宅にはまったく自然光が入らず、かつ非常に狭いので撮影できるスペースが1メートル四方くらいしかありません。そのため、今回の撮影では小さなテーブルの脇に置いたクリップオンストロボ1~2灯でライティングしています。

クリップオンストロボを使用する理由としては、

  1. スペースをとらないので狭い場所にも置きやすいから
  2. 光を全体に回しやすいから
  3. 色がきれいに出る(演色性が高い)から
  4. マクロレンズでの撮影はブレやすくなるが、ストロボの一瞬の閃光でブレを防げるから

以上の4点です。

おうちに自然光が入る方は、たっぷり光が入る窓際などで撮影すると、良い感じに仕上がります!ストロボを使わなくても自然光は肉眼で仕上がりを確かめながら撮影できるので、おすすめです。

お皿の上にストーリー性を生み出す柔らかなボケ

TAMRON SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)は中望遠レンズとして、メインとなる被写体をしっかりと描きながらも、背後に置いた被写体は柔らかく大きくぼかしてくれます。ゆえに、小さなお皿の上にも、ちょっとしたストーリー性をもたらしてくれます。限られたスペースの中でお料理を撮影するときの強い味方です。

ボケ味の優しさと柔らかさは、タムロンならでは。ピント面は非常にシャープですが、そこから自然になだらかにボケていくので、見る人も、写真にスッと入っていけます。私はこのボケ味がたまらなく好きなので、このタムキューを使っていると言っても過言ではありません。

焦点距離:90mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100

ホットケーキミックスとバナナを混ぜて炊飯器に入れて、バナナケーキを作りました。光あふれる昼下がりに窓際でほくほくしながらいただくイメージで撮りました。ライティングは、逆光(レフあり)のパターンです。ケーキの高さを強調したかったので、アングルはやや下から。主役のケーキはキリリと描かれ、背景に置いたホールケーキは柔らかくぼけていて、写真にストーリー性が付加されています。

焦点距離:90mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200

八宝菜風のお料理をつくりました。大人っぽい空気を感じたので、明るくしすぎないほうが似合うなと思ったのと、うずらの卵やエビの立体感を出したかったので、逆光(レフなし)のパターンです。奥にむかってなだらかにボケていく感じが心地よいです。

寄れるレンズはおうち写真の素敵なパートナー

TAMRON SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)はマクロレンズなので、被写体にググっと寄って撮影できます。小さな具材や、実際の目線に近い写真もノーストレスで撮れますし、肉眼を超えた新しい世界を見つけることもできます。マクロレンズは、おうち写真を新鮮な発見で彩ってくれる素敵なパートナーになること間違いなしです。

マクロ写真はピントの位置が命ですが、フルタイムマニュアル機構が搭載されているので、AF+MFで素早く正確に自分の狙ったところにピントを合わせられます。また、被写体までの距離に合わせてフォーカスリミッターを使い分ければ、AFが大きく迷うようなこともありません。

焦点距離:90mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200

焼き立てのトーストの上でじわじわと溶けていくバターに寄ってみました。肉眼で見るよりもずっと、溶け出すバターの濃厚ななめらかさを感じられて、なんとも幸せな気分になりました。マクロレンズは見慣れた光景を、新鮮なシーンに変えてくれるので大好きです。きらきら感を出すため逆光(レフあり)で撮っています。

焦点距離:90mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200

蛇口から水を出してシンクでミニトマトを洗っているとき、トマトが流水の中で元気に泳いでいるように見えたので、ぐっと寄って撮影してみました。一般家庭のキッチンとは思えぬほど、躍動感あふれる一枚になりました。水を流しながらの状態で被写体にかなり近づくため、レンズに少し水がかかりましたが、このレンズは簡易防滴構造、かつ防汚コートが施されているので安心。あとでササっと拭くだけで簡単にお手入れできます。

美しい色味で色鮮やかに

お料理をしていると、いつも「食材の色ってこんなに綺麗だったんだ」と思います。火を通すと鮮やかな色になるものも多く、身近にこんな美しい色が存在していたことに毎回驚きます。お料理撮影は、そんな色味を写しとることも楽しみのひとつです。TAMRON SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)は、決して誇張しないけれども、食材ひとつひとつの色をしっかりと描いてくれます。そのきれいな色味は、おうちの中で過ごす人の心をぱっと明るくしてくれます。

焦点距離:90mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100

かぼちゃプリンを作りました。昼下がりの窓際のイメージで、半逆光(レフあり)のパターンです。かぼちゃの黄色がかった色や、生クリームの上に添えた飾りの葉、ペーパーナプキンの可愛い色味がしっかりと描かれ、その場の明るい空気が伝わるような一枚に仕上がりました。

焦点距離:90mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:200

水を張ったボウルの中にいれてあるパクチーの黄緑がいいなと思ったのでシャッターを切りました。派手すぎない色再現がとても好みです。クリップオンストロボ1台を右奥に置き、キッチンの天井にバウンスさせています。パターンとしては半逆光です。

まとめ

SP 90mm F2.8 Di MACRO 1:1 VC USDでお料理の写真を撮るようになってから、毎日お料理を作って撮影するのが楽しみで仕方なくなりました。撮るたびに、もっとこうしたい、ああしたいという気持ちが湧き出て、止まりません。また、身近にある小さな彩りに気がつけるようになり、おうちで過ごす時間がより充実したものになりました。

タムロンレンズを用いた撮影で、おうち時間がここまで豊かになるとは思いませんでした。みなさまもぜひ、TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD (Model F017)で素敵なおうちライフを。

タムロンでは、公式ブログTAMRONMAGの他、公式SNS(Twitter,Instagram,Facebook,Youtube)等で最新レンズ情報や、たくさんの写真を投稿しています。

是非この機会に、皆さんが撮影したおうちフォトを【#タムロンおうちフォト】のタグを付けて、SNSで発信してみてはいかがでしょうか。

記事や写真を通じておうちで過ごす時間が少しでも豊かになれば幸いです。

TAMRON 公式SNS

写真家プロフィール

大村 祐里子 Yuriko Omura

写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、撮影のほか、雑誌・書籍・Webでの執筆など、さまざまなジャンルで活動中。趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。

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