自然写真家 福田 啓人氏が、ソニー Eマウント用のタムロン28-200mm F2.8-5.6と150-500mm F5-6.7 で撮影する冬のタンチョウ

自然写真家の福田 啓人です。北海道鶴居村で冬のタンチョウを撮影しましたが、真冬の北海道はとても寒く、明け方は-20度以下になることもあります。

そんな厳しい自然条件の中で、タムロンの高倍率ズームレンズ28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)と、超望遠ズームレンズ150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)を使用してみました。撮影は昨年の冬に行いましたが、今冬に合わせた作例としてご紹介しますのでご覧ください。

一枚目の写真( 焦点距離:500mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/4000秒 ISO感度:1600 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

鶴居村にある鶴居伊藤サンクチュアリで求愛のダンスを撮影しました。情熱的な2羽のダンスは動きが激しいのですが、レンズの動作は正確で、滑らかにオートフォーカスが追従してくれました。背景には雪の陰影があり、オートフォーカスには少々厳しい条件でしたが、トラッキングAFで十分に対応出来ました。

TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)

ソニー Eマウント

タムロン150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)は、望遠側の焦点距離500mmを確保しながら、手持ち撮影も可能な小型化を実現。高画質な描写性能はそのままに、超望遠500mmの世界を手軽にお楽しみいただけます。追従性に優れた高速・高精度AFと、手ブレ補正機構VCの搭載により、超望遠域での手持ち撮影をサポートします。

TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD(Model A071)

ソニー Eマウント

これまでタムロンが培ってきた高倍率ズームレンズの技術力やノウハウを注ぎ込み、ソニー Eマウント用の28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)は誕生しました。高倍率ズームとしては世界初となるF2.8スタートの明るさを確保。広角端28mmから望遠端200mmにいたるズーム全域においても高い描写性能を実現します。

2本のズームレンズで広がる写真の世界

タンチョウは大型の野鳥です。被写体との距離があるので撮影に望遠レンズは必須ですが、目の前を群れで飛ぶこともあるので、標準からスタートするズームレンズがあると写真の幅がより広がります。

撮影は2本のレンズを使用し、タンチョウのアップの写真だけでなく、北海道の美しい空や風景、朝焼けや夕焼けなども絡めつつ大自然の中で美しく生きるタンチョウの姿を写し出しました。

雪が降る中でも撮影を行いましたが、降りしきる雪にピントが合ってしまうこともなく、被写体へのAF合焦性能は申し分ありませんでした。またレンズが軽量なためとりまわしが良く、両レンズ共に便利で使いやすいレンズです。

焦点距離:52mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/4000秒 ISO感度:400 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)

朝焼けの中、タンチョウの群れが頭上を飛ぶ瞬間を撮影しました。撮影距離の近い群れの飛翔を写したい時、望遠レンズだけでは画角に収めることが難しい場面も多く、広い画角からスタートする高倍率ズームレンズはとても便利です。

焦点距離:500mm 絞り:F6.7 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

二羽のタンチョウが青空を背景に飛んでいる姿を500mmで撮影しました。このように被写体との撮影距離が遠く、大きく写したい時には望遠レンズが必要になります。どのくらい離れた距離を飛ぶかはその場になってみないと分からないので、一瞬のチャンスも逃したくない撮影には、ズーミングしながら超望遠撮影が出来ることはとても便利です。

28-200mm F2.8-5.6は写りも良く、軽量コンパクトで便利な高倍率ズームレンズ

28-200mm は明るさがF2.8から始まる、高性能で高倍率が特長のズームレンズです。使ってみると分かるのですが、一本で28mmから200mm までカバー出来るのは本当に便利です。レンズ自体の作りもしっかりしていて、特にズームリングの動きが滑らかで、重過ぎず軽過ぎず手に馴染むので、お気に入りのレンズになっています。

焦点距離:183mm 絞り:F6.3 シャッタースピード:1/5000秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)

少し遠めの群れの飛翔を撮影しました。高倍率ズームレンズは画角の自由度が高く、この時は近距離を飛ぶことも多かったので、素早くズームイン、ズームアウト出来るのは非常に助かりました。

焦点距離:98mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/3200秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)

夕日を背景に飛ぶ群れを撮影しました。やはりズームで素早く画角を調整出来るのは便利です。高倍率ズームレンズですが逆光にも強く、ゴーストやフレアも抑えられて描写も良く、オススメ出来るレンズです。

150-500mm F5-6.7は、望遠ズームレンズとしては軽量コンパクト

150-500mmは500mmのズームレンズとしては写りが良好でAFのスピードも速く、精度も高いです。タンチョウの求愛ダンスなどの動きが激しい場面でもAF任せで撮影しましたが、十分対応出来ました。500mmレンズとしては小型軽量なので持ち運びもしやすく、移動しながらの撮影も行いやすいと思います。

焦点距離:150mm 絞り:F6.3 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

鶴居伊藤サンクチュアリから飛び立つ姿を150mm側で撮影しました。向かってくる被写体に対してもAFでのレンズの動きは正確で速く、十分追いかけられます。広角端で撮影することにより、地上にいる二羽のタンチョウも背景のアクセントに加えてみました。

焦点距離:500mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

雪原に佇むタンチョウを望遠端で撮影しました。背景を白い雪に統一して被写体の存在感を高めました。カリカリになりすぎない描写は良好で、被写体の自然な美しさを引き出してくれていると思います。

焦点距離:500mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

近距離でタンチョウのアップを撮影しました。目の輝き、白と黒の羽の階調の表現、嘴や羽の質感など、ブレをきちんと抑えて撮影すれば、ズームレンズとしてはかなり良好な描写力だと思います。

焦点距離:253mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/8000秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

夕日とタンチョウを撮影しました。逆光でもフレアやゴーストは発生せず、背景の太陽と空も階調が柔らかく、自然な描写で好ましいと思います。

150-500mm F5-6.7をクロップ機能 (1.5倍)で撮影

150-500mmでクロップ撮影をしてみました。ソニー α1はカスタム機能で任意のボタンにクロップ機能を割り当てることが出来ます。ボタン一つで画角を1.5倍にできるのはとても便利なので、積極的に使用してみました。

焦点距離:500mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

α1のクロップ機能を使って撮影しました。画角は1.5倍の750mmになります。画素数は減りますが、被写体を引き寄せ迫力を増すことが出来ます。描写力の高いレンズの中心部分だけを使うことが出来るのも魅力です。

焦点距離:500mm 絞り:F7.1 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

雪が降る中でクロップ機能を使って撮影しました。多量の雪が降っていましたがAFは雪にも負けず、しっかりと被写体の飛翔する姿を捉えてくれました。

焦点距離:500mm 絞り:F8 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:800 使用カメラ:ソニー α1 使用レンズ:150-500mm F5-6.7 (Model A057)

最後の1枚もクロップ機能を使って撮影したものです。かなり動きの激しい場面でしたが、AFの動きは良好で、被写体の激しい動きにもピントを合わせ続けてくれました。

レンズを使用してみて

28-200mm F2.8-5.6と、150-500mm F5-6.7という2本のズームレンズを使用することによって、写真の表現の幅が大きく広がりました。北海道の雄大な自然の美しさ。タンチョウそのものの美しさ。両方を写し出したいと思った時に、ズームレンズはとても便利だと思います。両レンズで28mmから500mm(カメラのクロップ機能を使えば750mm)までカバー出来るのは何よりも強い味方になってくれます。実は病気を患ってしまい、なるべく重いものを持たないように言われているのですが、その点でも両レンズは軽く、写りも良いので大変助かっています。そういった身体に障害や制約のある方にもオススメ出来るレンズです。

写真家プロフィール

福田 啓人 Hiroto Fukuda

自然写真家。1973年神奈川県横浜市生まれ。東京写真学園卒。会社員として働いていたが野鳥のカワセミと出会い写真撮影に目覚め写真家を志す。現在は北海道釧路市に移住してタンチョウをメインの被写体に撮影活動を続ける。写真集の出版や雑誌への写真提供、国内外の写真コンテストで受賞するなど活躍の場を広げている。日本写真家協会(JPS)所属。カワセミ、カンムリワシ、アカショウビンの写真集を雷鳥社より出版。

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TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)

ソニー Eマウント (フルサイズミラーレス一眼カメラ用レンズ)
タムロン150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)は、望遠側の焦点距離500mmを確保しながら、手持ち撮影も可能な小型化を実現。高画質な描写性能はそのままに、超望遠500mmの世界を手軽にお楽しみいただけます。追従性に優れた高速・高精度AFと、手ブレ補正機構VCの搭載により、超望遠域での手持ち撮影をサポートします。

TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD(Model A071)

これまでタムロンが培ってきた高倍率ズームレンズの技術力やノウハウを注ぎ込み、ソニー Eマウント用の28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)は誕生しました。高倍率ズームとしては世界初となるF2.8スタートの明るさを確保。広角端28mmから望遠端200mmにいたるズーム全域においても高い描写性能を実現します。

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