写真家 若子jet氏がタムロン SP85mm F1.8 (Model F016)で撮る男性ポートレート

タムロンレンズは私の作風をより高め、1ランク上の世界に導いてくれるレンズです。
いつも愛用しています。今回は男性ポートレート作品の紹介を交えながら、お伝えしたいと思います。

一般的にポートレートの撮影は、標準~中望遠域のレンズを使用することが多いと言われています。程よい距離感を保つためにも、フルサイズで王道のTAMRON SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)を気に入って使用する機会も多いです。

一枚目の写真( 焦点距離:85mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:320)

モデル撮影を野外で行う際には、事前にロケハンをし、ポーズや洋服などの打ち合わせが必要です。また撮影当日の天候によっては、悪天候でも撮影できる場所も確保しましょう。無彩色の洋服に、色や柄の入った壁を背景に、撮影を行いました。

逆光なんて怖くない!

現場によっては、限られた時間や環境の中で、いかにバリエーションを多く撮れるかが、勝負となってくることも多々あります。そんな中、今回は珍しく時間に縛られることなく、男性モデルを歩道橋の地下階段にて撮影する機会に恵まれました。

逆光ではピントが合いにくかったり、あまりに日差しが強いとレンズを向けた方向によっては、フレアやゴーストが入る心配もあります。しかし、このTAMRON SP 85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)は逆光に強いです。タムロン独自の光学設計により、フレアやゴーストが出ることもなくクリアで抜けのいい画、さらには優れたAF性能のおかげで、ピントはより正確に早く合い、色ノリも非常に綺麗です。そのお陰でテンポよく、撮影に集中できました。それでいて画の強い立体感もしっかりしています。人通りが多い場所ではありますが、時間をかけずに撮影を終えることができました。

焦点距離:85mm 絞り:F/2.2 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:80

会話をしながらの撮影。男性を撮影する際には、お決まりポーズをとってもらうより、そこにあるものを活かした形でのポージングをお願いすることが多いです。タムロンレンズのおかげで、手前のコンクリートからモデルさんの視線までスーッとピントが合い、柔らかく仕上げてくれます。

焦点距離:85mm 絞り:F/2.2 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:80

無彩色のビル群を背景に、人通りにも気を配りながらの撮影。天候は曇りのち雨で、青空の下で撮影を行うことはできませんでしたが、ブルーの橋が差し色になって、モデルさんをよりクールな印象に再現することができました。

焦点距離:85mm 絞り:F/2.2 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:80

だんだんと雨が強く降りはじめる中、簡易防滴機構のおかげで、焦ることなく撮影をスムーズに続行することができました。

悪天候でも安心!お供レンズ。

春先時期の天気予報は外れることが多々多く、必ずしも希望通りの天候で撮影できる機会も少なくはないでしょう。この日は突然予報が変わってしまい、小雨が降りはじめてしまいましたが、簡易防滴構造のお陰で、気にする事なくそのまま撮影を続行しました。そしてVC機能があるおかげで、夕暮れ時なども安心して撮影を試みることができました。

焦点距離:85mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:200

寒空の公園。雨を気にすることなく、歩きながらひたすら撮影を続行しました。

美しいボケ味。画が浮き出てくるかのような立体感。そして高い解像力。

望遠になればなるほど大きな前ボケが、作品を柔らかくふわっとした印象で仕上げてくれます。バラが咲いていたので、一緒に撮影をしてみることにしました。タムロンレンズの特徴である優しい描写を生かした上で、人物にお花を組み合わせて撮影してみました。私はこのようなとろけるような柔らかさがたまらなく大好きです。ただし、お花畑では花粉症には気をつけてね。(笑)

焦点距離:85mm 絞り:F/2.2 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:200

前景と背景の緑をぼかし、中景のモデルさんの顔にピントを合わせ、柔らかな奥行き感のある画を目指しました。タムロンのピントを合わせた前後の自然なボケ味が、作風をさらに引き立ててくれます。

焦点距離:85mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:500

ハウススタジオでの撮影。室内での撮影も、陽が差し込む時間帯などを事前に確認し、置いてある小道具や家具などの下見をした上で、撮影を試みました。

モデル:稲松悠太

TAMRON SP85mm F/1.8 Di VC USDを使用してみて

TAMRON SP85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)とともに、日常から撮影していて思うことは、人物を撮影する上で、充分な機能を揃えた贅沢レンズだということです。 私が男性を撮影をする際には、女性に比べ身体の硬い直線的なラインが目立つこともあり、画としてのポーズの収まりを意識することが多いです。また、アップでも近づきすぎない程よい距離感を取ることができる TAMRON SP85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)を1本持っていることで、モデルさんのリラックスしたポーズや仕草を確実に収めることができます。F値はF1.8と明るめのレンズに加え、このクラスでは数少ないVC機能も充実、簡易防滴機構なども安心して使用できるレンズなので、時間や天候を選ばない撮影者の気持ちをしっかり察してくれる、非常に頼もしい存在だと思っています。ピントを合わせた合焦部からアウトフォーカスに行くに従い、なだらかな美しいボケ味、そして画もしっかりしていて解像力も高いので、ポートレート用に購入を迷っているのであれば是非使用してほしいと思います。これからの暖かくなる季節、活躍するレンズであることは間違いないでしょう。

写真家プロフィール

若子jet Wakako Jet

岐阜県岐阜市生まれ。名古屋造形大学卒業。 撮影スタジオ勤務後、出版社写真部を経て、写真家松本明彦氏に師事後、独立。
被写体は人物を中心に、雑誌、広告等の撮影をする一方、展覧会でも発表多数。ライフワークとして街スナップを楽しんでいる。 優しく可愛く綺麗な世界観を得意とする。

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タムロン SP85mm F/1.8 Di VC USD (Model F016)

高い解像力と自然なボケ味のハーモニー。手ブレ補正機構「VC」を搭載。人を撮るために誕生した、新次元の中望遠単焦点レンズ。