鉄道写真家 遠藤 真人氏がタムロン 70-300mm F4.5-6.3 (Model A047)とゆく、鉄路の光を求める旅

鉄道ファンにとって待望の望遠レンズ、TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047)が登場しました。300mmというと鉄道写真にとって日常の世界です。撮影者によっては「300ミリが鉄道写真界の標準レンズ」と主張する人もいるほどです。加えて鉄道写真は移動の連続です。理想として小型・軽量・高性能なレンズほど、初心者から上級者、撮り鉄や乗り鉄をはじめとした鉄道を愛する皆さまにオススメできるレンズということになります。

今回の相棒TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047)は、まさにフルサイズ設計でありながら、その期待に応えた一本です。サイズは長さ148mm、最大径φ77mm、重さ545gのとてもスリムな設計です。AF駆動にはステッピングモーターユニットRXDを搭載しています。こちらはモーターの回転角度をダイレクトに制御する方式です。これにレンズ位置を高精度に検出するセンサーを組み合わせることによって、高速で緻密なAFを可能にしているとのこと、まさに鉄道写真のために設計されたようなレンズですね。このレンズの魅力を鉄道写真家 遠藤真人の写真と共にお伝えしてゆきます。ぜひ最後までお付き合いください。

一枚目の写真( 焦点距離:300mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:500)

私は鉄道写真を「計算の世界」だと考えています。列車が現れるのは数秒なので「来るべき瞬間にベストを迎える」ことが鉄道写真の醍醐味です。この日も列車を狙って待っていたのですが、通過の瞬間に想像もしていなかった被写体が…。写真の女神様が微笑んでくれたようです。嬉しい”計算外”も高画質で捉えてくれました。

「望遠の大迫力」を「お手軽」に

鉄道写真において望遠レンズが重宝する理由はいくつかあります。まずは走っている列車に近づけないこと。そして、望遠レンズの圧縮効果が鉄道写真にマッチしていることが最大の理由です。圧縮効果が現れるのは、長大編成の列車や雄大な風景の中を走る列車を撮影したときです。肉眼では十分に味わえない感動の写真表現が待っています。このレンズは望遠側が300mmまであるので、その独特の雰囲気が手に入ります。焦点合わせもオートフォーカスで楽々です。また小型軽量設計のレンズはカメラをしっかりとホールドできるため、手ブレも起きにくいといえるでしょう。お手軽に望遠の世界を体験してみてください。

焦点距離:101mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:1600

長野県と山梨県の県境にある小淵沢の風景です。始発駅を出発した小海線は大カーブを通過して山間部へと分け入ってゆきます。朝6時台には甲斐駒ヶ岳や北岳にも光が差し込んできます。とても雄大な風景に思わず深呼吸してしまうほどです。秋のアイテムを画面の隅に配置しましたが、高画質のレンズはしっかりと描写してくれました。

焦点距離:300mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:640

SL撮影のコツは、ズバリ煙が出る場所を選ぶことです。この時もSLは大爆煙でやってきました。300mmの望遠レンズで撮影すると画面一杯に被写体を捉えることができるのです。線路から離れたカーブの外側から撮影しました。

焦点距離:300mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:400

日没が迫るなか、SLがギラリと光る瞬間を狙いました。この時はC57型蒸気機関車に門鉄デフが装着されており大勢のファンが主役の登場を待ち構えていました。撮影地は広角から望遠まで好きなレンズで撮影できる場所です。そこであえて300mmを選びました。その理由は背景の山影が暗く溶け込み、被写体が浮き上がって見えると予想したからです。残照の中に照らされて煙がほんのり紅く染まります。

ローカル線の旅にも最適なレンズ

545gの軽量小型のレンズは様々な場面で活躍します。編成写真や鉄道風景写真はもちろんですが、軽快なスナップ撮影も得意なレンズです。とくに駅に列車が停まっている情景は、シャッターチャンスといえるでしょう。車両の部品をアップで撮影するもよし、情景を狙うもよし。なんといっても545gの軽いレンズでは機材を持っていて疲れることがありません。いつもより自由に撮影ができます。

もちろん走行する姿を撮影する普通の鉄道写真も十分に撮影可能です。軽量小型の機材で「乗り鉄旅」もいかがでしょうか。頑張るローカル線を応援することにもなるので、鉄道ファンとしてはまさに一石二鳥です。のんびりしたローカル線は日常にはない、憧れの世界です。

焦点距離:70mm 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:250

只見線はローカル線ファンにとって憧れの路線です。雄大に流れる只見川に沿ってゆっくりと列車が走ってゆきます。中でも福島県にある第一只見川橋梁は人気の観光スポットです。撮影スポットは山の上にあるので、軽い機材での撮影がオススメです。

焦点距離:300mm 絞り:F/8.0 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:250

只見線は鉄橋を渡る情景が人気ですが、他にもローカル線らしい風景が広がっています。大きなカーブを描いて列車はすすきの間を走ります。逆光のスポットですが、風景全体に影ができたことで立体感が生まれました。

焦点距離:204mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:100

静岡県を走る大井川鐵道の情景は、まさに昭和にタイムスリップしたような憧れの世界です。午後の斜光線がさらに郷愁を誘います。望遠レンズを使うと、現実の一歩先にあるイメージの世界へ連れて行ってくれます。写真は出発間際のひとときです。

焦点距離:300mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:500

復路の終着駅の新金谷駅に到着しました。乗客を降ろし終え、あとは機関区に帰るだけ…。瞬間、機関士がレバーを握り最後の加速を始めました。大きいレンズは途中で仕舞ってしまいましたが、このレンズは最後まで手元にあったので撮影できた一枚です。レンズの俊敏性が光る一枚です。

新型レンズで広がる表現の世界

鉄道写真は順光での撮影が基本ですが、逆光でのシルエット撮影なども人気の撮影手法です。普段の姿とは違う印象的写真に仕上げることが可能です。また列車の動感を写し出す「流し撮り」も鉄道撮影にうってつけの手法です。撮影方法は簡単で、列車の動きに合わせてカメラを振るだけです。すると列車のスピード感が表現されます。他人とは違った個性的な表現にだって、このレンズは応えてくれます。

また望遠レンズで気になるのは手ブレ補正機能ですが、基本的に鉄道写真は高速シャッターの世界です。手ブレは気にする機会は少ないといえるでしょう。日中の明るい時間帯は問題ありませんが、少し暗くなったらカメラ内蔵の手ブレ補正機能をオンにしましょう。レンズには手振れ補正は付いていないものの、カメラ内蔵の機能を使用すれば3.5段分まで補正が利くとのことなので、臨機応変にカメラの機能も使いながら、自分だけの表現を作りあげたいものですね。

焦点距離:70mm 絞り:F/22 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:100

鉄道写真で人気の撮影方法の一つが流し撮りです。遅いシャッター速度で列車が駆け抜けていくスピード感を表現します。信濃路を駆け抜ける、人気の特急列車を狙いました。重い機材では被写体の動きに合わせるのも一苦労ですが、軽い機材では俊敏に撮影が可能です。

焦点距離:300mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:160

このレンズにはBBARコーティングが採用されています。逆光でのシルエット撮影もお手のものです。脇役の雲が面白い形になったので、素早く狙って撮影をしました。太陽に向かって走る列車は明日への希望を感じる光景です。

TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047)を使用してみて

今回は秋の情景を求めて70-300mm F4.5-6.3(Model A047)と共に沢山の場所へゆきました。日常の生活では出会えない素敵な風景に多く触れることができたので、心ゆくまで良い撮影ができました。今までの撮影は大きな機材を選んでいた私ですが、このレンズの高画質には惚れぼれとしました。評判どおりの小型軽量設計ながら、高画質を実現した望遠レンズでした。画面の隅まで高画質を保つこのレンズは、まさに鉄道撮影の新定番となる素晴らしい性能です。ちょっとした旅にも本格撮影にも使える優れた一本でした。これから鉄道写真を初めてみようと考えている方にも、心からおすすめできる頼もしい相棒です。新しい望遠レンズTAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047)で鉄道写真の魅力を感じてください。

写真家プロフィール

遠藤 真人 Endo Masato

日本大学芸術学部 写真学科卒業 フリーランスカメラマン。鉄道会社公式撮影からWEB連載、コンテスト審査員など活動は多岐にわたる。蒸機の美姿を追い求めた「煙道」には根強いファンも多い。日本写真学会正会員、EIZO ColorEdgeAmbassador

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タムロン 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Model A047)

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