写真家 畠山 公妥氏がSP 70-200mm F2.8 Di VC USD G2 (Model A025)で撮影する美しの森Winter 北海道 日高地区

山間部に囲まれるここ日高町日高地区の冬の美しさを表現しました。その山々は非常に美しくも整然としていて、厳しくも言葉に表す事の出来ない表情を見ることが出来ます。特に早朝の美しさに感銘を受けます。夜が明け暗がりの部屋に冬の微かな光を取り込もうとカーテンを開けると、外気中の水分が冷却されて窓ガラスに付着しているシバレ模様を見る事が出来ます。
その模様を表現するため、レンズはTAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A025)をセレクトし明暗部分を特に意識しました。大口径望遠レンズでありながら最短撮影距離0.95mで細やかなディティールの描写はもちろんの事、eBANDコーティングを含む高い反射防止性能がフレアの発生を抑え逆光と微かなシャドーの繊細な窓辺のシバレを心地よいボケ味で表現することが出来ました。
一枚目の写真( 焦点距離:200mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:200
雲の切れ間から差し込む光にポイントを置き、外景の映り込みも意識しながら、雲との明暗を利用して絵作りしました。
焦点距離:135mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/10秒 ISO感度:100
美しの森は、動植物達を育み水分を貯えます。貯えられたそれらが地中でろ過され雫となりやがて川となります。その美しい水流の表情をスローシャッターで表現しました。
当然ながら川辺での撮影は、雪の綿帽子を被ったり氷ついた岩などゴロゴロとした足元は、不安定で困難なアングルを強いられます。シャッタースピードは、1/10秒です。手振れ補正機構VC(Vibration Compensation)が、威力を発揮し作画を手助けしてくれました。大口径望遠ズームレンズでも迷うことなく低速シャッターをセレクト出来る強みがあります
焦点距離:110mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/20秒 ISO感度:125
急流に反して緩やかな流れでは、結氷する前の造形美を見ることが出来ます。川に棲む生物たちの活動も鈍くなる冬では、最上級の清流の美しさに心が躍ります。フロストフラワーも見ることが出来ます。
焦点距離:200mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:200
冬の楽しみに欠かせない天然造形美探索も楽しむことが出来ます。先ほどの流れの更に緩やかな個所で小さな氷にも心を奪われます。「福氷」と名付けておりますが、なんと恵比寿様に見えて夢中でシャッターを切りました。解像・コントラスト性能と美しいボケの両立をズーム全域で感じられ、とても楽しい撮影が出来ました。
焦点距離:135mm 絞り:F/3.5 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:200
外気温がマイナス20℃にもなると空気中の水分が氷になって舞い降りてくる。とても美しい光景、ダイヤモンドダストです。簡易防滴構造のこのレンズは、厳しい環境下でも夢中で撮影ができます。
少しだけ絞り込み、背景の森の雰囲気を意識しシャドー部分でダイヤモンドダストを魅せながらハイライトも画面に写し込みキラメキを強める構図で撮影しました。
逆光をも気にすること無く絵作り出来るのもタムロン独自の技術が一役買っています(eBANDコーティング(Extended Bandwidth & Angular-Dependency))
焦点距離:135mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:200
冬景色の撮影では、遠景から近景までの絵作りをしようとすると、いろいろな角度から反射してくる光が、とてもまぶしく均一に表現しづらい傾向ですが、反射防止性能が優れているので、その場の空気感をも上手く表現してくれました。綺麗に並ぶ植林された森と、野鳥たち、自然環境が育てた雑木林、霧氷の付いた雑草を1枚に収めました。一面の銀世界に太陽の日差しが差し込み始めた瞬間です
焦点距離:焦点距離:145mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/25秒 ISO感度:200
外気温が、急激に冷え込んでも、急流は結氷することはないのです。水の流れは、生物たちの身を寒さから守ってくれます。夏の冷ややかな水も真冬になると温水かな?と思えるくらいに温かく感じます。外気温との温度差が20℃から25℃になるから納得できます。とは言え、とても冷たいものです。その川で、もう1つ魅了されるものがこの造形美です。
まるで鍾乳洞のような印象を持ちました。スローシャッターで沸き立つような水の動きと、氷の質感がリアルに出るように気を配り撮影しました。このカットは、川の落ち込みです。水撥ねした所は、徐々に凍り、流れのある所は凍りません。そして程よく流れがあり水温が一定になる深みの所で、産まれたての山女魚たちが群れを成し寒さをしのぎながら春を待ちます。
焦点距離:200mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:
清流沙流川の日高地区ならではの環境を活かしたアクティビティーの1つに「つり掘りいざわ」さんが、あります。親子で大自然を満喫しながら、山女魚やニジマスを釣り上げて塩焼き、天ぷら、唐揚げ、刺身、を新鮮なまま格別な味を頂くことが出来ます。(営業期間5月~10月)
寒さにも負けずに育つ山女魚は、渓流の女王とも呼ばれています。小さな魚体は、すばしっこくピントも合わせにくいものですが、リング型超音波モーター「USD(Ultrasonic Silent Drive)」搭載によりグイグイピントも食いつき撮影に専念出来ました。
焦点距離200mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/13秒 ISO感度:200
タムロンSP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)には3種類の手振れ補正機構VCモードが搭載されています。
MODE2: 流し撮り専用のモードにセットして撮影しました。通常の撮影だと、背景だけをブラして主被写体が動いているかのように撮影する流し撮り専用モードですが、逆発想で表現してみました。川の流れの中に落ち葉があり、降雪の不規則な動きも相まって、まるで絵画の様な作品が生まれました。
手持ち撮影で、しっかり手振れ補正をしてくれる、信頼のおけるレンズだからこそ生まれた作品です。
焦点距離:200mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:200
寒風と降雪の早朝に寒立馬を狙いました。雪を掻き分けて草を食する姿は、寒さを感じさせないくらい夢中でした。ラッキーな事に背後に通過していく2頭のキタキツネ。寒さが身に染みる、日の出前の瞬間でした。とても楽しく撮影できるのは、このレンズならではです。
焦点距離:105mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/13秒 ISO感度:200
12月に日高レクレーションの森にて、「美しの森picnic2018 [picture clinic]が開催され講師を務めました。講評会では自然に触れ合いながら、日高地区の食材で作られたお弁当をほおばり、感動を分かち合いました。そのワークショップでの1コマですが、辺り一面霧氷で覆われておりました。人物の大きさから想像がつくでしょうか?
焦点距離:145mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/15秒 ISO感度:1600
お気に入りの1枚。人工的曲線美を画面一杯にフレーミングしピントは浅目、背景の四角いコンクリートも、曲線に配置されている。人工的線を自然光と人口光のミックスで表現しました。
焦点距離:135mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:400
芯まで冷えた後の楽しみですが、1:温泉に浸かる 2:美味し食事をする。「そば処 夏川」さんのかつ丼そばセットです。最短撮影距離0.95mの中望遠レンズでありながらテーブルフォトを気軽に撮影できるのも、このレンズの特徴でしょう。澄み切った汁が、クリアに写っております。
TAMRON SP 70-200mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A025)を使用してみて
大口径望遠ズームレンズでありながら、遠景から近接撮影まで手軽に撮影が出来る魅力的なレンズです。大口径レンズでのスローシャッターのリスクも独自開発の手振れ補正VC(Vibration Compensation)が協力なため全く不安を感じずに撮影が出来ます。手ごろな焦点距離70mm~200㎜ですが、1.4倍と2倍のテレコンバーター も用意されているのでカメラバックに忍ばせておけば、鬼に金棒です。日高地区においてこのクラスは、標準レンズです。とても、楽しいレンズですよ。
写真家プロフィール

畠山 公妥 Hiroyasu Hatakeyama
1968年釧路市生まれ。北海道デザイナー専門学院卒業後上京。
レンタルスタジオ 広尾スタジオ(南青山)卒業し、ファッションカメラマンに弟子入り卒業。広告写真スタジオで修業後、1998年独立札幌を拠点に活動。2018年6月北海道沙流郡日高町にアトリエを移す。現在北海道日高町地域おこし協力隊写真家。
オリンパスズイコークラブ札幌 専任講師
コープさっぽろ文化教室写真講座講師
札幌カルチャーセンター平岡写真教室講師
ヨークカルチャーセンター琴似写真教室講師
2017年9月オリンパスギャラリー東京個展
【写真家サイト】
- ホームページ:http://h-hatakeyama.com
- Instagram:https://www.instagram.com/hiroyasuhatakeyama/