写真家 澤村 洋兵氏がフルサイズミラーレス用望遠ズーム タムロン70-180mm F2.8 (Model A056)で京都を魅せる

みなさんこんにちは。フォトグラファーの澤村洋兵です。なんと2回目の登場ができました。好きなもの、気に入ったものをお勧めするのが大好きなので、またここに登場できることは本当に幸せです。ありがとうございます。

さて、今回はボクの手元にタムロンのソニーEマウント対応、大三元の最終兵器、TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)がやってきました。元々望遠ズームでスナップを撮ることが好きなのですが、従来のレンズは重くて大きいものが多く、スナップ撮影をしているとカメラを持つ腕がだんだんと疲れてきて、縦で撮ろうものならさらに負担がかかり、撮影後半には腕がプルプルしてくるということが常でした。そのため、「軽いF2.8通しの望遠ズームがあればいいのに…」と思っていたのです。

そういった思いの中で70-180mm F2.8を手にしてみたところ「軽い、、、!こういうの待ってた!」と感動してしまいました。そして、「軽くするため、価格を抑えるために写りの部分で妥協しているのでは…??」なんて不安は、撮影をした一瞬でかき消されたのでした。

望遠ということもあり、広大な景色で撮ってみたいとも思ったのですが、この軽さを活かして街をぶらぶらしながら撮影するのも良いなと思い、70-180mm F2.8を付けたカメラを片手に、京都を散歩しながら撮影することにしました。

一枚目の写真( 焦点距離:151mm 絞り:F/5 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100)

モデルさんに着物を着てもらい、はじめの方に撮った一枚。光の当たった右目のクリア感。着物の質感、そして色味。柔らかいボケ感に、くっきりしすぎていない良い具合の玉ボケ。解像感もバッチリ。製品を軽くするために妥協なんて全くしていないことが分かる素晴らしい写りでした。

軽さのおかげで広がる表現力。

F2.8通しの望遠ズームなのに重量は驚きの810g。望遠ズームをカメラに付けながらぶらぶら歩いてもストレスがないので、スナップ感覚のポートレートも気軽に撮れます。この新鮮味のある感覚が楽しいのです。

機材が軽く疲れにくい事は撮影においてかなり大切な部分です。疲れてくると一歩踏み出した撮影や、シャッターを押すべきベストなタイミングをどうしても待ちきれなくなってくる。そもそも重いから持っていくのをやめてしまうという時もあります。それは、表現の幅を狭くしてしまうということです。重量が軽いので撮影していても疲れにくくなるというこの部分だけでも本当にこのレンズはお勧めできます。

焦点距離:70mm 絞り:F/5 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:320

焦点距離:147mm 絞り:F/5 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100

望遠ズームならではの圧縮効果でモデルさんが浮き立つような表現力。柔らかいボケと頼りきれるピント面の質感の表現でインパクトのある写真に仕上がります。レンズが軽いおかげで縦撮りもストレスフリーです。

いかなる状況でも頼れる存在。

撮影した日はとても天気の良い日で夕日が美しく、なんとも情景的だったので思い切って逆光で撮影してみました。逆光で撮影をすると、良い表現をするレンズであってもどうしても解像感が落ちたりコントラストが弱くなったりします。ですが、こちらのレンズはほとんど影響されませんでした。まさしく、いかなる状況でも頼れる存在。ここまで頼れると撮り手の表現幅に制限がかからないので自由に撮影ができます。

焦点距離:125mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:1600

焦点距離:168mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:2000

目で見た世界をリアルに美しく表現。

前回記事にさせてもらったSP 35mm F1.4 (Model F045)もそうだったのですが、タムロンさんのレンズは目の前にあるものを実にリアルに、より美しく感じるように表現してくれます。質感や色表現が本当に素晴らしい。

今回のレンズもそうでした。写真が上手くなったのではないかと良い意味で勘違いさせてくれます。良い意味での勘違いは写真を撮りたくなる気持ちを高め、たくさんの撮影をしたくさせます。それは技術向上にもつながることだと思うんです。ということで、この高鳴る想いを胸に、京都の新緑をスナップしに出掛けました。

焦点距離:70mm 絞り:F/22 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:1250

良い天気だったので空と新緑を写したくて下から煽り、しっかり絞って撮影しました。本当に素晴らしいです。空の青と新緑の色味、塔の質感までほんとにバッチリ。撮って気持ちいい、見返して気持ちいい。レンズのおかげで自分で自分の写真に魅せられてしまいます。

焦点距離:70mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:100

開放でもしっかり残る質感とシャープネス。このレンズは被写体を選びません。

焦点距離:180mm 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:500

焦点距離:128mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:100

開放で寄りの撮影。とろけるようなボケでありながらピント面は葉脈までしっかりと表現されている。緑の世界に入り込んだような表現力に感動しました。

焦点距離:180mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100

TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD(Model A056)を使用してみて

正直望遠ズームって常用するレンズではないと思っています。ボクにとっての基本はやっぱり24mmから50mmあたり。でも「ここだ!」っていう時の迫力のある写真を撮るため、望遠ズームを一応持っていきたくなるんです。ですが今までは、望遠ズームは重いので持っていくことに躊躇していました。そんな時に70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)の軽さだと気軽に持ち歩こうという気持ちにさせてくれて、その上頼れる表現力に解像感。もう言うことなしです。本当にお気に入りの望遠ズームになりました。

是非みなさんにも体感して欲しいです。こんなにも気持ちよく楽しめるレンズはなかなかないです。自分の写真表現の幅を広げてくれる頼れるレンズとして、望遠ズーム初心者の方から慣れた玄人の方まで、そして女性の方にもお勧めな1本です。

写真家プロフィール

澤村 洋兵 Yohei Sawamura

1985年京都生まれのフォトグラファー。 美容師、和食料理人、バリスタ、珈琲焙煎士など、様々な職業を経験してきた異色の経歴を持ち、Lightroomのオリジナルプリセットは世界的に人気。撮る写真は人物写真、風景、スナップなどバリエーション豊か。それぞれの職業で培った感性と、類い稀ないセンスと器用さを武器に様々な瞬間を自分の色にして表現し、多くの共感を生む作品をアウトプットしている。SNS総フォロワー 12 万人以上で今なお増え続けている。モデル撮影や広告写真、旅写真、講師活動、SNS関係、レザー製品のデザイン、インフルエンサーとしてなどジャンルを問わず幅広く活躍。コミュニティサロン「しんやとよーへい」はメンバー数300人を超える。

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TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD (Model A056)

タムロン70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056)は、ミラーレス専用設計のソニーEマウント用大口径望遠ズームレンズ。その最大の特長は、開放F/2.8通しの高性能レンズでありながら、フィルター径φ67mm、最大径φ81mm、長さ149mm(70mm時)、重量810gという世界最小・最軽量ボディです。

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