写真家 澤村 洋兵氏がタムロン35mm F2.8 (Model F053)でスナップ撮影をしながら感じる心地よさ

こんにちは、京都在住のフォトグラファー澤村 洋兵です。撮影に出かけようとするときのレンズ選びは難しいですよね。様々なシーンを想定して機材が多くなるのは避けたい、けれど良い写真は撮りたい、かと言ってスマホやコンデジでは物足りない。特にスナップ感覚で街をブラブラしながらポートレート撮影する時は、フットワークを重視した機材にしたい、と思うときはありませんか?ボクのカメラライフの中ではよくありました。そのことから何を求めているかというと、軽くて、小さくて、いい感じに撮れるレンズであること。しかも、サブレンズとして使うことも多そうだからコストパフォーマンスに優れていれば、尚更うれしいということです。
そんなボクの望みを満たしてくれるレンズがありました。フルサイズミラーレス一眼カメラ対応の軽量・コンパクトな単焦点レンズ、TAMRON 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F053)です。このレンズでモデルさんと京都の街を散歩しながら撮影をしてきたので、写真とともにこの35mm F/2.8レンズについてお伝えしていきたいと思います。
一枚目の写真( 焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100)
このレンズだから表現できる魅力
このレンズは価格設定が低く押えられていて、とてもお求めやすくなっています。だから正直なところ、写りはどうだろうと思う方も多いと思います。ボクもそうでした。でも、安心してください。写りに関しての心配はないどころか、このレンズだからこそ魅せてくれる表現というものがありました。
今回は本当に目的もなく散策しながらの撮影でしたが、やはり小さくて軽いレンズは疲れることもなく終始楽しく撮り続けることができました。この心地よさが本当に素晴らしい。そして撮れた写真もとても良いのです。たとえば、雑誌の表紙ではないけれど、1ページ、1ページ開いていくと心地良い気持ちで眺められる写真たちが続いていく感じのよう。いい意味でパワーがありすぎず、心地よく見ていける写真がたくさん撮れていました。このレンズに出会わないと表現できなかった写真がそこにはありました。ボクがタムロンレンズの良さだと思っている、被写体の色を優しく表現してくれることと、とても優しい写りに仕上がっているのです。ボクはそこに魅了されました。
焦点距離:35 mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100
焦点距離:35 mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:100
特に目的の場所もなく、本当に行き当たりばったりでブラブラしながら撮影をしましたが、35mm F2.8で撮影した写真は街の雰囲気も含めて、とても優しさのある、素敵なシーンとして表現することができました。
「軽い、小さい」はマンネリ化した撮影方法からの解放
いつもはそれなりの大きさと重量のあるレンズを使って撮影しているのですが、ボクはそういったレンズを使うとどうしてもしっかりと構え、じっくり考えて撮ることが多いです。もちろん、それがダメとか、イヤとかいうわけではありません。ただ、そのせいなのか自分の中で少し型にはまった撮影をしてしまっていたのでは?と気付かされました。
TAMRON 35mm F2.8を使うと軽くて小さいサイズのおかげなのか良い意味で考えすぎず、サクサクと感じたままに撮ることができました。テクニックなんか考えず気持ちの赴くまま、こんなに軽快に気持ちよくシャッターをたくさん切ったのは久しぶりでした。
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:100
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:100
小さくて軽いレンズはボクの気持ちも軽くしてくれて、サクサクとテンポ良く撮ることができました。モデルさんの気持ちまでも軽くしてくれたのか、写りだけではなく、表情や仕草まで柔らかく優しい写真が撮れました。
35mmという焦点距離の心地良さ
冒頭から何度か「心地よい」ということをお伝えしてきましたが、写りの部分だけではなく35mmという画角からくる心地良さというものもあります。35mmでのポートレートはモデルさんとの距離が近すぎず、遠すぎず、その場の様子や雰囲気ごと切り取ることができるので、常に良い距離でコミュニケーションがとれ、会話を楽しみながらの撮影ができる心地良さを感じることができます。そのため、緊張感が和らいだ自然体なモデルさんの表現を引き出しやすかったりもします。さらに、コンパクトなレンズはモデルさんも圧迫感を感じることなく自然な魅力を見せてくれるという良さもあります。
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:100
焦点距離:35mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:100
TAMRON 35mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F053)を使用してみて
通常のレンズインプレッションでは、性能や描写について解説すべきなのかもしれませんが、ボクはどうしても今回のレンズに関しては、使っている時の「心地よさ」に重点を置いてお伝えしたかったのです。なぜならこのレンズの1番の良さは「心地よさ」だと確信できたからです。
様々なレンズで写真を撮られている方には、写真を撮る楽しさを思い出し、改めて新しい表現の仕方が見つかるレンズになるかもしれません。単焦点35mmレンズを使ったことのない方には、「35mmの世界」を楽しむ初めの一歩に選ぶレンズとしてお勧めできます。
主役にはなれないかもしれないけど、持っておきたいレンズ。きっと、このレンズだからこそ味わえる楽しさが感じられると思います。コストパフォーマンスも抜群の、いつもとは違う新鮮な気持ちで撮ることができる単焦点レンズ、TAMRON 35mm F2.8 (Model F053)を、是非一度、みなさんにも使ってみていただきたいです。
写真家プロフィール

澤村 洋兵 Yohei Sawamura
1985年京都生まれのフォトグラファー。 美容師、和食料理人、バリスタ、珈琲焙煎士など、様々な職業を経験してきた異色の経歴を持ち、Lightroomのオリジナルプリセットは世界的に人気。撮る写真は人物写真、風景、スナップなどバリエーション豊か。それぞれの職業で培った感性と、類い稀ないセンスと器用さを武器に様々な瞬間を自分の色にして表現し、多くの共感を生む作品をアウトプットしている。SNS総フォロワー 12 万人以上で今なお増え続けている。モデル撮影や広告写真、旅写真、講師活動、SNS関係、レザー製品のデザイン、インフルエンサーとしてなどジャンルを問わず幅広く活躍。オンラインサロン「写真喫茶エス」を主宰。
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