写真家 並木 隆氏がタムロン28-75mm F2.8 (Model A036)で撮るスリランカの旅スナップ

スリランカへの家族旅行にTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)を持っていきました。メインカメラのひとつであるソニーα7RIIIはミラーレス一眼。一眼レフに比べたらボディは小さくて軽いですが、フルサイズのセンサーを搭載しているので、画質を優先するほどセンサーサイズに比例してレンズが大きく重たくなってしまいます。海外旅行+家族旅行となれば着替えなどの荷物だけでもかなりの量になるので、それ以外の荷物はできるだけ少なくしたいところ。となると、コンパクトカメラやスマホでいいかなと思ってしまいますが、せっかくの家族旅行ですし、やっぱりキレイに残しておきたいですよね。

一枚目の写真( 焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:400

タムロン 28-75mmは旅行にピッタリ

TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)は、開放F/2.8と大口径ながらとても小型で軽量なレンズ。仕事の撮影なら(このブログを書いている時点で仕事になってますけど・・・)複数のレンズを使うのは当たり前ですが、観光中に撮影に夢中になって家族をないがしろにしようものなら家庭崩壊の危機にもなりかねません。そう考えると、機材を軽量化しつつ、記念撮影からちょっとしたスナップまで一本でこなせるこのレンズは、今回の旅行にピッタリだったのです。

焦点距離:28mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:200

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/5000秒 ISO感度:400

焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:400

焦点距離:75mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:200

焦点距離:75mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:200

ミラーレス専用設計だから実現した小型軽量化

このレンズがこのスペックで小型・軽量に設計できたのは、フランジバックの短いミラーレス専用設計だからこそなんですね。フランジバックとはマウント面からセンサー面までの距離のことで、この距離が短いほど同一性能であれば小型・軽量に、同サイズであればワンランク上の高性能なレンズを設計することができます。

焦点距離:75mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/5000秒 ISO感度:400

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/5秒 ISO感度:800

焦点距離:28mm 絞り:F/16 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:400

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/5000秒 ISO感度:6400

焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/25秒 ISO感度:1600

納得の描写力

タムロンらしい色のりと滑らかなボケ味、4000万画素オーバーのセンサーにもしっかり対応する高精細な描写。写りに関しては素晴らしいの一言。また、普段の花撮影ではMFを使うことが多いのであまり気にしていませんでしたが、AFが速い。撮りたいときにスッとピントが合ってくれるのは、気持ちがいいですね。

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:400

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/4000秒 ISO感度:6400

焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:400

焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:1000

TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)を使用してみて

このレンズでもうひとつ気になっていたのが、広角側で19cm、望遠側で39cmという最短撮影距離。これまでの標準系ズームレンズは全域で40cm程度のものが多く、花の撮影ではちょっと寄りたいなというときに物足りなさを感じていました。特に広角側の最短撮影距離は単焦点レンズ並になったことで、背景を大きくぼかすことができるようになったのです。

広角レンズは被写界深度が深いレンズだから大きくなんてぼけないでしょ?と思われるかもしれませんが、被写界深度は焦点距離、絞り値以外に、最短撮影距離でも変わります。焦点距離、絞り値に関係なく、最短撮影距離が短くなるほど被写界深度が浅くなるので、19cmという短い撮影距離で撮影すると非常に大きなボケを得ることができるのです。広角側で広い範囲の背景を取り込みつつ、被写体に寄って大きく撮ることもでき、絞りを開放にすることで大きなボケ味を得たり、逆に絞り込んで背景を見せたりというように、最短撮影距離が短いことで表現できる範囲が格段に広がるんですね。

今回は旅行スナップオンリーでしたが、本格的な花撮影もできる実力を持っていることがわかったので、次回は是非花撮影でこのレンズの実力を試してみたいと思います。

写真家プロフィール

並木 隆 Takashi Namiki

1971年生まれ。高校時代、写真家・丸林正則氏と出会い、写真の指導を受ける。東京写真専門学校(現・東京ビジュアルアーツ)中退後、フリーランスに。花や自然をモチーフに各種雑誌誌面での作品発表。日本写真家協会、日本写真協会、日本自然科学写真協会会員。

この写真家の記事一覧を見る

記事で紹介された製品はこちら

28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)

ミラーレスに新たな風を。これまでにない美しさとやわらかなボケ味。目指したのは高画質と小型軽量の両立。世界を鮮やかに写す、フルサイズミラーレス対応、F/2.8大口径標準ズームレンズ。