星景写真家 北山 輝泰がTAMRON 28-75mm F2.8 Di Ⅲ RXDで撮影をする房総の星空

初めまして。星景写真家の北山輝泰と申します。今回、初めてレンズブログを執筆させていただくことになりました。私は星空を専門に撮影をしておりますが、今回はSONY α7ⅢにTAMRON 28-75mm F/2.8 Di lll RXD (Model A036)を付けて撮影をしてきた、房総半島の星景写真をご紹介したいと思います。

一枚目の写真( 焦点距離:34mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:400


星景写真家御用達の気象サイト。白の濃度が雲の濃さ。黒が晴れ間を表しています。

星景写真を撮影する上で大事な要素の一つは「晴れている夜空」を探すこと。雲の様子を可視化して見ることができる気象サイト「gpv」によると、私が撮影日に設定をした9月19日はあいにくの曇り予報で、唯一晴れ間がありそうなのは、千葉県 房総半島の御宿町や勝浦市エリアであることがわかりました。そのため、まずこの辺りを撮影候補エリアとして場所を探すことにしました。

Googleマップを使って調べると、御宿町に「月の砂漠記念公園」という白い砂浜の公園があることがわかりました。ちょうどこの日は、月齢9.4の明るい月が深夜遅くまで夜空にあったため、月の砂漠記念公園で「月」をテーマにした星景写真を撮影することを今回の撮影の目的に設定しました。

焦点距離:75mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:400

刻一刻と変わる夕日の撮影。AF性能が非常に高いので、瞬間的なシャッターチャンスを逃すことなく撮影することができます。月の砂漠公園に到着をすると、素晴らしい夕陽が待ち構えてくれていましたので、75mmテレ端を使用し、夕陽が反射する砂浜をフォーカスして撮影を行いました。

私は初めての場所で星景写真を撮影するとき、必ず日没前の明るいうちに現地に着くよう行動をします。そうしないと、現地の様子が把握できず、思わぬトラブルに遭遇してしまうことがあります。例えば、ネット上での検索では行けると思った場所が、実は立入禁止エリアだったなど、過去何度か経験をしました。現地に早く着くことができれば、万が一の時、その場で新しい撮影地を探したりすることもできます。日没前30分を目安に行動するようにしましょう。

焦点距離:40mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:400

夜になるまでの間、その限られた時間の中でしか撮れない風景もあります。東南の空を見ると、今回の主役である月が昇っていました。日没後のトワイライトタイムに月を撮影すると、地上風景と月の明かりをちょうどいい露出で捉えることができます。あえてテレ端で月だけを撮るのではなく、波待ちをしているサーファーと一緒に撮影を行いました。

焦点距離:28mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/30秒 ISO感度:400

合焦距離が非常に短いので、近景の被写体の撮影にも最適です。夜の撮影前のチェックで大事なのは、コンパスや星座早見盤を使って、大まかな方角とそこから昇ってくる星のイメージをあらかじめ調べておくことです。星景写真は星と風景が合わさってこその写真です。入念に情報を整理しましょう。

焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:400

季節によって一番星は変わります。あらかじめ一番星の種類と方角を調べておくと、撮影地に着いた時、探す楽しみが増えるでしょう。

いよいよ日が沈み、周りがだんだん暗くなってきました。ふと西の空に目をやると、今の季節、夜空で最初に光る一番星「金星」が目に飛び込んできました。金星にピントを合わせてしまうと、星の存在感が弱まってしまうため、あえてピントを外してボカして撮影を行いました。こういった遊びが気軽に行えるのは望遠ズームならではと言えます。

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/3秒 ISO感度:400

構図の中に星と風景をどう配置するかが星景写真の醍醐味です。私はできるだけ主題がはっきりするよう、構図はすっきりとまとめるようにしています。

夜空にポツリポツリと星が見え始めましたので、三脚にカメラを載せて、今回の主役、月の撮影に入ります。月の砂漠公園には、ラクダに乗った王子と姫君のモニュメントがあります。この象徴的なモニュメントを構図の中にシンプルに取り入れて、月明かりを表現して見ました。

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/15秒 ISO感度:200

雲の動きを表現するために、感度を低くしてシャッタースピードを長めにして撮影を行いました。暗くなるにつれて、地上風景を写すためには、シャッタースピードを長くしたり、ISO感度を高くしなければならなくなってきます。そうなってくると、月の白とびが顕著になり、フレアが発生しやすくなりますが、この28-75mm F2.8 Di Ⅲ RXDは、フレアやゴーストの発生を限りなく少なく抑えてくれます。こういった思い切った構図で写真が撮れるのがこのレンズの特徴でもあるでしょう。

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:8秒 ISO感度:800

28mmから75mmまでの画角があれば、年間を通して様々な星座撮影に挑戦することができます。最後は北の空にカメラを向けて、北天の日周運動を撮影しました。一枚では星空の動きを表現することができないため、90枚連続でシャッターを切り続け、比較明合成をしています。28mmワイド端を使用することで、おおぐま座の北斗七星から北極星までをぴったりと収めることができます。広角ならではの画角を使ってぜひ撮影をしてもらいたい構図です。

TAMRON 28-75mm F/2.8 Di lll RXD (Model A036)を使用してみて

タムロン28-75mm F2.8 Di Ⅲ RXD (Model A036)を手にした時にまず素晴らしいと思ったのは、その軽さでした。星景写真を撮影する環境は、時に過酷な場所になることがあります。カメラ機材以外に、赤道儀や三脚、フィルターなど、様々な機材を合計すると15kg~20kg近くになることもあり、それらを背負って1時間近く歩くこともあります。そういった時には、一つ一つの機材の軽量化が非常に大事になってきます。そのため、28-75mm F2.8 Di Ⅲ RXDの軽さは非常にメリットだと感じました。そして、αボディにつけた時のバランス感も心地よく、三脚を使わない手持ち撮影でもストレスフリーな撮影を行うことができると感じました。標準ズームをお探しのユーザーには、ぜひお勧めしたい一本です。

写真家プロフィール

北山 輝泰 Teruyasu Kitayama

1986年12月1日、東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。在学中、授業で天体望遠鏡を使った撮影を行なったことがきっかけで、宇宙への興味関心が強まる。
卒業後、福島県鮫川村に移住し、村営の天文台で星空のインストラクターをしながら、本格的に天体写真と星景写真を撮り始める。その後、天体望遠鏡メーカーに就職。2017年に星景写真家として独立をし、国内、海外問わず、各地で星空の撮影を行っている。
オーロラ、皆既月食、皆既日食など様々な天文現象を見て行く中で、この感動をより多くの人と共有していきたいという想いを持ち、2018年に「NIGHT PHOTO TOURS」を立ち上げる。自身が代表を務める傍ら、講師として、夜をテーマにした様々な撮影ワークショップを企画・運営している。

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28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)

ミラーレスに新たな風を。これまでにない美しさとやわらかなボケ味。目指したのは高画質と小型軽量の両立。世界を鮮やかに写す、フルサイズミラーレス対応、F/2.8大口径標準ズームレンズ。