クリエイティブ・コンサルタント 市川 渚氏がTAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)で撮る日常スナップ

こんにちは、クリエイティブ・コンサルタントの市川 渚です。フリーランスで企業やブランドを伝えるための企画を考えたり、クリエイティブ制作に携わったりする傍ら、昨今は自身で写真を撮ったり、動画を撮ったりといったお仕事もさせていただいています。
今回、フルサイズミラーレス対応のソニーEマウント用高倍率ズームレンズTAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)を使用させていただきました。普段スナップ感覚でシャッターを押すことの多い私は、「カメラは持ち歩いて、シャッターを切ってなんぼである」という信条のもと、単焦点で25mmから50mmくらいの焦点距離、コンパクトかつ重量500g台までの軽いレンズばかりを好んで使ってきました。理由はシンプルで、単焦点レンズは軽く、写りの良いものが多いからです。
自身で所有しているズームレンズは、TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)の 1本のみです。発売当時の2018年に夫から誕生日プレゼントとしてもらったこのレンズは、何かと登場機会の多い、手放せない1本であり続けており、今回の28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)が昨年発売された際も「動物を撮るわけでもないし、私には望遠端は75mmで十分」と思っていたのでした。
一枚目の写真( 焦点距離:147mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:1600)
昨今は、日常に溶け込んだようなイメージでの物撮りをご依頼いただき、自宅で撮影する機会も増えましたが、そんな時にも活躍してくれる1本です。もちろん、ちょっとした写真を撮るときにもおすすめです。
望遠の面白さを知るきっかけになった1枚
そんな私と、望遠の面白さとの出会いを作ってくださったのは、このTAMRON MAGに何度も登場されている写真家の別所隆弘さん。以前、同じ仕事で小笠原諸島・父島を訪れた際に出かけたトレッキングで、遠方の山肌に野生のヤギを見つけ「こういう時、望遠レンズを持っていたら便利なのですかねえ……でも重いから絶対持ち歩かなくなっちゃうだろうなあ……。」とつぶやいたところ、「使ってみる?」と言って貸して下さったのが、28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)でした。その時、撮ったのがこの1枚です。
焦点距離:200mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:320
200mmという焦点距離で写真を撮ったのは、これが初めて。肉眼では豆粒程度にしか見えなかった野生のヤギを撮影することができました。樹々の間から向こう側を覗くアングルで、ちょうど周囲が暗く、ヴィネットをかけたような画になりそうだったので、露出はアンダー気味にしてみました。
これまで、高倍率ズームレンズに対しては「便利だけれど、描写力がいまいちで写りに特徴がない」「描写力や解像感のあるものを選ぼうとすると、重くて大きい」など、ポジティブなイメージを持っていなかったのですが、そんなイメージを覆す、柔らかくて優しい描写とサイズ感に驚いたことを鮮明に覚えています。この1枚がきっかけで、28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)に対する興味が俄然高まったのです。
どんな場所でも思い描いた画を意のままに切り取れる
その後、東京に戻り、28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)を試写する機会を得たのですが「東京からは気軽な旅にも出づらくなったこの状況で、このレンズをどうやったら活かせるだろう」「望遠端の200mmを活かすなら、本当は山や自然の多い場所が適しているか……」と少し悩みました。あまり考えても仕方ないので、「まずはとにかく毎日このレンズで写真を撮ろう」と日々シャッターを切り続けたところ、難しそうだと思っていたイメージはすぐに払拭されました。自宅のお気に入りのスペース、ちょっとした散歩、仕事現場への道すがら……どんな場所で撮ってもハマるのです。まさにどんな場所でも活躍してくれる“超便利ズームレンズ”。単焦点レンズのように己の足で稼がずとも、ズームリングをひねるだけで、28mmから200mmまで、幅広い画角を試すことができるので、“この場所・瞬間をこんなふうに切り取りたい”、と頭の中で描いた画を意のままに写真へ反映することができるように感じました。そして、広角端から望遠端まで、どの焦点距離でもしっかりと解像しながらも、タムロンらしい柔らかなボケと優しい描写が気に入りました。
焦点距離:200mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:200
焦点距離:28mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100
焦点距離:200mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:100
焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100
焦点距離:200mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:100
焦点距離:200mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:100
おうちスナップでも望遠がおもしろい
28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)は最短撮影距離が広角端で0.19m、望遠端で0.8mと寄れるレンズでもあり、室内で使ってみるのも面白いです。被写体にググっと寄ることができるので、滑らかで柔らかいボケにより狙った被写体が引き立ち、さほど広くないスペースでの撮影でも、ファインダーの中の要素を整理しやすいと感じました。
焦点距離:74mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/25秒 ISO感度:1600
焦点距離:51mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:640
焦点距離:134mm 絞り:F/5.0 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:640
焦点距離:200mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:100
焦点距離:160mm 絞り:F/4.0 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100
セルフタイマーで撮影した筆者近影です。リモートでのお仕事の機会が増えたことで、こんなふうにスマホをシャッター代わりにして、自宅やオフィスなどでセルフ撮影することも増えました。レタッチはしていませんが、肌の柔らかな描写もタムロンらしい写りです。ポートレートや人物のスナップ撮影にも活躍してくれることは言わずもがな、でしょう。
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD(Model A071)を使用してみて
日頃、撮影機材に限らずさまざまなデジタル機器やガジェットに触れる機会の多い私は「よい道具は人のクリエイティビティを加速してくれる」という思いを心に留めています。そうしたことからも、TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)は、私にとって出会う機会のなかった望遠という新しい世界を覗かせてくれた、ありがたい存在になりました。今回使用したレンズはお借りしたものですが、新しい相棒としてこのレンズが再び我が家にやってくることは、想像に容易いです。
タムロンから発売されている、超コンパクトで軽量のM1:2単焦点レンズシリーズと比べれば、もちろんサイズ感は少し大きくなりますが、長さ117mm、質量575gというサイズでありながら 28mmから200mmまでをカバーできるEマウント用レンズは唯一無二。旅行や登山などの非日常だけでなく、今回の作品のように日常を記録として残すのにもぴったりで、ソニーEマウントユーザーであればマストハブと言っても過言ではないでしょう。
また、個人的には最近動画撮影も行っているので、野外ではNDフィルターが必須。タムロンのソニーEマウント用レンズのフィルター径は67mmで統一されているものが多く、1枚のフィルターで共用できるのもうれしいポイント。このレンズで撮影した動画はYouTubeで公開していますので、よろしければそちらもぜひご覧ください。「重いから望遠ズームは……」と食わず嫌いをしていた私のような方にこそ、一度手に取ってみてほしい1本です。
写真家プロフィール

市川 渚 Nagisa Ichikawa
ファッションデザインを学んだのち、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。クリエイティブ・コンサルタントとして国内外の企業、ブランドのプロモーション企画/ディレクションに関わる。昨今は自身でのクリエイティブ制作にも注力しており、フォトグラファー、動画クリエイター、コラムニスト、モデルとしての一面も合わせ持つ、マルチクリエイター。
【運営サイト】
- HP:https://nagiko.me/
- Instagram:https://instagram.com/nagiko
- Twitter:https://twitter.com/nagiko726
- YouTube:https://www.youtube.com/nagiko
記事で紹介された製品はこちら
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD(Model A071)
これまでタムロンが培ってきた高倍率ズームレンズの技術力やノウハウを注ぎ込み、ソニーEマウント用の28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)は誕生しました。高倍率ズームとしては世界初となるF2.8スタートの明るさを確保。広角端28mmから望遠端200mmにいたるズーム全域においても高い描写性能を実現します。
タムロン 28-200mm F/2.8-5.6 Di III RXD (Model A071)プロモーションムービー
TAMRON MAG 市川 渚氏の記事はこちら
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TAMRON MAG 28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)の記事一覧
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写真家 HARUKI氏がタムロン28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)でモロッコの街を撮影。未公開カットを含む9作品を公開(前編)
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