写真家 金森 玲奈氏がタムロン24mm F2.8 (Model F051)で切り取る世田谷線沿線の日常

私が住む世田谷には招き猫にゆかりのお寺があり、近くを走る路面電車にも招き猫を模した車両が登場するなど、猫好き、街スナップ好きな人にじわじわと人気が出ています。私は街でスナップをする時、被写体を取り巻くまわりの空気感を写し込むのが好きです。だから必然的に使うレンズや焦点距離は広角寄りになります。

TAMRON 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F051)は被写体との距離感だけでなく、開放F2.8が見せるやわらかなレンズ描写が私の求める世界観を具現化してくれるレンズと言えます。そんな24mmをつけたソニーα7IIを首にぶら下げて、世田谷線沿線スナップに出かけました。

一枚目の写真( 焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度:400 +0.7補正)

招き猫で有名な世田谷の豪徳寺にはたくさんの人たちの願いが込められた猫たちが奉納されており、最近は外国人観光客の増加と共にメッセージや名前が添えられたものが増えてきました。そんな中、パッチリお目目の招き猫を発見。24mmの程よい広さのおかげで主役を取り巻く猫たちの存在感も際立たせることができました。

単焦点レンズの醍醐味、寄ったり引いたりは自分次第

単焦点レンズの醍醐味は自分の足で被写体との距離をコントロールできること。広角レンズの良いところは空間の広さを強調したり、被写体に近付きつつ、まわりの情景を写し込めるなど、被写体との距離によって多様な描写を楽しめるところです。自分で被写体との距離を決め、24mmの空間の広がりを生かす画角と組み合わせることで、より自分らしい視点を写真に投影できると思います。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:50 +0.3補正

大きな松林の参道の先にお寺の正門が見えます。樹の高さを表現するのに地面スレスレにカメラを構え、下から見上げるようにフレーミングしたことで、よりダイナミックな印象になりました。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:400 +0.7補正

逆光に照らされたお線香の煙がとても綺麗で、風にくゆる煙の動きが背景の山門の黒さに浮かび上がる位置を探して撮影しました。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:100 +0.3補正

灯篭に飾られた豆サイズの招き猫たちの中の一匹と目が合いました。F2.8のやわらかなボケ感を生かし、主役の一匹の存在感を引き出しました。

自分のイメージを写し込めるやわらかく芯のある描写

開放F値での前後のボケ感の心地良さと周辺まで隙のない描写の両方を実現していて、さまざまなシチュエーションでの撮影に対応してくれます。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:50 +0.3補正

良い香りに誘われて路地に入ると満開の紅梅に出会いました。このレンズは周辺光量落ちもなく、逆光での撮影でもふんわりとやわらかい雰囲気を捉えてくれます。

焦点距離:24mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:1000

とぼけた表情の招き猫電車は遠くからわざわざ乗りに来る人がいるほど、すっかり世田谷線の名物になりました。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:64 +0.7補正

世田谷線沿線には古い雰囲気を残す商店街がいくつもあります。開放F値でも周辺まで隙のない描写が心地良いです。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:500 -0.3補正

お店の前に飾られていたお花を撮りました。広角でも被写体に近付いて前ボケを入れると奥行き感を演出することができます。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/100秒 ISO:100 +1補正

昔ながらの中華屋さんの店頭に飾られた食品サンプルのチャーハンが美味しそうでした。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:100 +1補正

細い枝先のちいさな蕾もAFが迷うことなくしっかりと捉えてくれました。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度:64

不思議なキャッチコピーが書かれた壁と記念写真。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:50 +0.3補正

招き猫電車の中も招き猫一色です。レンズが軽いので片手での撮影も不安はありません。

焦点距離:24mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:400

世田谷線が見えるカフェでひと休み。高速シャッターで招き猫電車が通り過ぎる一瞬を狙いました。

焦点距離:24mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:400

歩き回ったあとのごほうびスイーツ。24mmの広めの画角はカフェなどで席に座ったままテーブルの上を撮影できます。

焦点距離:24mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:1250 −0.3補正

終点の三軒茶屋駅はヨーロッパの駅舎のような佇まいが魅力の駅です。ドーム状の屋根までフレーミングするため、地面スレスレから撮影しました。

TAMRON 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F051)を使用してみて

私は自分の目で見たのに近い描写で写真を残したいと思っています。人間の目は意識して見たものの周囲はそれほどピントが合った状態では見えていません。そんな人間の目に近い写りを得るためにどんな焦点距離のレンズを使う時も、意図したイメージを撮影する時以外は基本そのレンズの開放F値で撮影しています。

24mmは見た目に近い画角であるという点と、この開放F値での周辺のやわらかな空気感が撮影していてとても心地良いレンズでした。また、215gという軽さと全長64mmというコンパクトさは街歩きや旅に持ち出すのに最適なサイズと言えます。最短撮影距離も0.12mとかなり寄れるため、被写体をダイナミックに捉えつつ、背景を大きくボカしたり、手前に前ボケを入れて遠近感を強調するのにもオススメです。街歩きを楽しむのにぜひTAMRON 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F051)をお供に連れていってみてください。

写真家プロフィール

金森 玲奈 Reina Kanamori

写真家。1979年東京都生まれ。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。東京藝術大学美術学部附属写真センター勤務等を経て2011年にフリーランスとして活動を開始。雑誌や書籍での撮影や執筆のほか、ライフワークとして日常の何気ない瞬間や怪我と障害がきっかけで引き取った二匹の飼い猫との日々を撮り続けている。デジタル時代だからこそ手に取れる形で写真を残すプリントの大切さや額装する楽しさを伝えるワークショップ『アナログ工房』主宰。2018年6月1日「写真の日」に事務所兼アトリエ『Maison PHOTOGRAPHICA』をオープン。アトリエや屋外での各種フォトレッスンも開催している。

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タムロン 24mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F051)

ミラーレス専用設計のソニーEマウントレンズシリーズに単焦点35mmが登場。Model F053はF/2.8と大口径でありながら最短撮影距離0.15mまでの近接撮影が可能。被写体が引き立つ美しいボケを楽しむことができます。