写真家 ウエムラ ノリエ氏がタムロン20mm F2.8 (Model F050)で『猫との会話』をテーマに撮る

はじめまして。動物と写真が大好きな元 介護士で、現在はカメラマンとして仕事をしている、ウエムラ ノリエと申します。
いつも動物を撮る事が多く、大抵は家を出る時にその日撮りたい構図を考えてレンズを選びます。屋外でのレンズ交換は土埃の心配があることと、屋内でも動物撮影の場合は動物達の毛などが飛んでいるため、できる限りレンズ交換することなく1本で撮影します。
この日のテーマは『猫との会話』。猫カフェでの撮影なので少し場所が変わるだけでも明るさの条件は激変します。そんな厳しい状況でも対応出来るF2.8の明るいレンズを着けているとストレスも軽減されます。お膝の上に乗せた猫を撮るにも、軽量且つ最短撮影距離が0.11mと言うのは正に至近距離。そこで今回の撮影ではTAMRON 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)を付けて行く事にしました。
一枚目の写真( 焦点距離:20mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:800 )
お膝の上は猫が安心してリラックス出来る場所。その気持ちを邪魔しない様に片手にカメラ、もう片方の手で猫をマッサージしていると、話しかけて来たので、その様子を撮りました。これはこのレンズの特長でもある、寄れる&軽量ならではです!おヒゲの1本1本がクリアで尚且つ上品な描写は、猫の毛の柔らかさと繊細さを思った様に捉えてくれます。
動物たちに好かれるレンズ
色々なレンズを使っていて思うのは『TAMRONのレンズは動物たちに好かれる』と言う事です。
特にこの20mmは猫にも、犬にも同じように好かれてとても不思議・・・これもタムロンマジックなのか?と思う事が度々有ります。女性の手でもホールドしやすくフォーカスリングは軽く操作しやすいので人差し指だけでピントの微調整が出来、リング操作時にタイミングを逃す事もありません。私はいつも手持ち撮影なのでこの操作性には大変助かっています。
焦点距離:20mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:200
猫のパーツはどれも愛らしく、特に私はお口の三角ゾーンが好きです。そこを撮るには猫がレンズに興味を持って貰い近づいてきたところを撮るか、下から煽り気味に撮るかですが、いつも上手く行くとは限りません。でも、不思議とこの20mm F2.8のレンズには猫たちが寄って来てくれるのです。『寄れる』の意味が違った形で撮影を楽にしてくれています。さらに、繊細な被毛をシャープに描写してくれます。
焦点距離:20mm 絞り:F/10 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:200
向き合って撮る際は、猫の目線と同じくらいのローアングルで撮りますが、この写真のようなサビ猫ちゃんはなかなか難しく、その模様はかなりはっきりしているので目鼻が埋もれる事が多いのです。そんな時でもこの20mm F2.8の描写はカリカリにならず毛の一本一本まで柔らかく捉えてくれます。機動力も描写力も抜群です!
焦点距離:20mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:200
白い猫の毛を柔らかく捉えるのは案外難しく、その体に現れる薄らとした陰影が丸みだったり、筋肉だったり、独特のフォルムを持っています。この微細な陰影と毛流れに思わず手を伸ばしたくなる様な、滑らかな描写は撮っていて本当に楽しく時間を忘れてしまいます。
焦点距離:20mm 絞り:F/5 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:100
顔の半分にお日様が当たっている状態とその反対側に思い切り影が落ちているところ、そこを敢えてF5で撮りました。猫の顔の面積は人の1/5くらいですから、微細な表情の変化を確実に捉えてくれるこの20mm F2.8は有り難いレンズです。目線が来ただけでは記念写真になってしまうので、猫たちの心が動いた瞬間や話しだそうとする所を感じとりながら撮ります。
焦点距離:20mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:500
人よりも体が小さく、柔らかい身体を持つ猫の動きは、時として唐突に思える事もありますが、AFスピードの速い20mm F2.8がそれを追いかけ、逃さずに捉えてくれます。F2.8でシャッタースピードを少し上げておくと、パースペクティブで更にお顔がグッと近づくけれど、背景は逆にキューっと遠のいて見えるなど、広角レンズ独特の表現で撮影できます。背景の程よいボケはこのレンズならではの描写です。
焦点距離:20mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:500
あまりに楽しそうにしているので部屋全体も入れて撮りました。F3.2でもさすが単焦点なので、猫のボディーは品良くボケています。表情を強調したい時、敢えて猫のボディーをボカすことにより、お顔が強調されるので、ボディーをボカして撮ることが良くあります。どこまでも滑らかなボケは全く違和感なく、グッとこちらに近づく感じがします。好きな撮影方法の一つです。
焦点距離:20mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:200
猫たちに遊んで貰いながら沢山撮らせてもらった帰り道、お気に入りのカフェに寄りました。アジアンテイストな店内は結構暗く、店舗の中央にはこれまたアジア風の色合いの大きなシャンデリアが幾つも下がっています。その照明を普通に撮るのでは面白くないので、ドリンクが入ったピッチャーに映り込んだ状態をとらえてみました。ここでもパースペクティブで奥行きは一層増し、センスの良い大人の空間風に撮れたと思います。
TAMRON 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (Model F050)を使用してみて
軽量でありながら、奥行きの深い写真が撮れる超広角単焦点レンズの20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050)。ボケ味はとても上品です。軽くて小さいこのレンズならいつでもカメラに装着して手元に置いておけます。そして女性でも片手で撮ることができます!
このレンズは限りなく寄って撮る世界と、超広角ならではの広大な被写体も納める事が出来、更にF2.8の滑らかなボケは背景に溶け込みながらも、ピントを合わせた被写体の解像度は高くキープされています。開放から高い描写で、しかも上品な質の良いボケは撮影者を助けてくれる事間違いなしです。超広角レンズはボケ味を得難い傾向に有りますが、被写体に近づくことで背景が大きくボケて、しかも滑らかでシットリとしているのは諸収差を極力抑える事に成功しているからだと感じます。
質量220gで長さ64mmと言うサイズ感は取り回しが良く構図決めにも力を貸してくれるし、急遽MFでピントの微調整をする時のフォーカスリングの軽い操作感は瞬間を逃さない強い味方です。この軽量かつ使い勝手の良いレンズなら肉眼では見えない“独特のストーリーを宿してくれる”そんな貴重な1本になるはずです。
写真家プロフィール

ウエムラ ノリエ Norie Uemura
様々な職種を経て、現在は動物や人物の写真を撮る側、初心者向けのWSも開催。最近はメールに写真を添付しての遣りとりで『写真添削コース』が人気。カメラやレンズの相談にも乗りながら、写真についての『今更聞けないアレやコレ』を昔の自分を思い出しながら聞く事を大事にしている。保護犬保護猫の活動の中で少しでも彼らに目を向けて貰える様『伝わる写真、愛ある写真』をモットーに活動。
【運営サイト】
- アメブロ:https://ameblo.jp/toiki1
- Instagram:https://www.instagram.com/toikiphoto/
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