写真家 大村 祐里子氏がタムロン 17-70mm F2.8 (Model B070)ソニー Eマウント用で撮る、冬の江の島

こんにちは。写真家の大村祐里子です。祖母の家が近くにあるので、小さい頃から遊ぶ場所といえば江の島でした。人間とは不思議で、思い出深い場所には定期的に訪れたくなるものです。ゆえに、大人になったいまでも、1シーズンに1回は江の島へ遊びに行きます。息抜きしたくなったら、カメラを持ってぶらりと江の島を散歩する。これが私の密かな楽しみです。
ただ、ひとつだけ決まり事を設けています。一日中歩き回って江の島の様々な表情を捉えたいので、持っていくカメラとレンズは必ず「持ち歩きやすいもの」を選ぶことにしています。そこで、今回のお供は、APS-Cサイズミラーレス一眼であるソニーα6400と、コンパクトで広い焦点距離をカバーするTAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)に決めました。
一枚目の写真( 焦点距離:21mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/2500秒 ISO感度:100)
久しぶりに夕焼けらしい夕焼けに出会えて、心が揺さぶられました。強い逆光でしたが、描写は非常にクリアで驚きました。絞り開放で目の前の人にピントを合わせて画に適度な立体感をもたせつつ、広角側で風景をダイナミックに切り取ってみました。前向きなパワーをもらえた一日を象徴するような力強い一枚になりました。色味も誇張しすぎないタムロンらしい感じで好みです。
軽量コンパクトかつ幅広い焦点距離が、たくさんの被写体に出会わせてくれる
私は自分の足で被写体を見つけるのが大好きなので、この日もとにかく歩き回りました。その間、シャッターチャンスを逃さないために、カメラを肩にかけず手に握ったままでしたが、重いと感じる瞬間はまったくありませんでした。長さ119.3mm、最大径φ74.6mm、質量525gと軽量・コンパクトなこのレンズは、自分の手の延長と言ってもおかしくないくらい、空気のような存在でした。
また、17-70mm (35mm判換算25.5-105mm相当) という、広角から中望遠までの幅広い焦点距離をカバーするこの一本は、たくさんの被写体で溢れている江の島を余すところなく捉えてくれました。すべてを「こう撮りたい!」と思った通りの画に仕上げられるので、非常に気持ちよかったです。
焦点距離:17mm 絞り:F/4.0 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100
路地の先に海が見える、地味ですがお気に入りのスポットです。いつもここで一枚撮ってしまいます。光が当たらずやや暗い部分も、よく見ると階調がしっかり出ていていいなと思いました。また、周辺部分はきっちり解像していて、変に歪むこともなく、あの場所でみた光景そのものを写せたように感じて嬉しくなりました。
焦点距離:70mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:100
寒くて空気が澄んでいる日だったので、雪化粧をはじめた富士山もくっきりと見えました。そんな富士山をバックに、堤防の上を歩いていく人の様子にハッとしました。堤防はだいぶ遠いところにありましたが、とっさに70mmまでズームしたので、理想的な構図で切り取ることができました。70mmまであると、撮り漏らしがなく、ノーストレスです!
焦点距離:23mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100
冬ですが、お店で大好きなソーダを注文してみました。お店の外にある赤いパラソルとグラスを一緒に写したかったので、広角側で撮りました。幅広い焦点距離をカバーするレンズだと、お店でも、立ち上がらずに様々な画角で撮影できてありがたいです。コントラストの高いレンズの描写が、グラスの存在感をぐっと引き立ててくれました。
焦点距離:24mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:100
日没前、漁港に佇む船と沈む夕陽を一緒におさめてみました。ここは島から少し歩いたところにあるスポットですが、機材がコンパクトだとそこまで行ってみようという気持ちになります。絞るとスッキリとシャープで、硬質な描写になりますが、こういうシーンにピッタリだなと思いました。遠景も積極的に撮りたくなるレンズです。
存分に寄れるレンズでクローズアップ欲を満たす
このレンズは、広角端では0.19m、望遠端では0.39mまで近づいて撮影できる点が魅力です!お料理や、小さな動物をクローズアップで写したいという欲を存分に満たしてくれます。
特に、広角端で0.19mまで寄れるところが面白いです。寄りながらも、近い被写体をより大きく、遠くの被写体をより小さく写すという、広角レンズ特有のパースペクティブを活かした撮影も楽しめます。
焦点距離:36mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/20秒 ISO感度:100
お昼は、アジのたたき定食を注文してみました。絞り開放でお刺身にグッと寄って、他はなにかわかる程度にボカしてみました。ボケ味も自然でやわらかく、好印象です。お料理を自分の思い通りに撮るのにぴったりなレンズです。
焦点距離:17mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/20秒 ISO感度:100
暖をとるために頼んだカフェラテに、広角端の最短撮影距離である0.19mまで近づいてみました。お店のお姉さんが描いてくださったラテアートの模様までしっかりと写し撮れました。お店の中で、立ち上がらずに被写体を写せるのはとてもありがたいです。
焦点距離:17mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:100
日向ぼっこをする気持ちよさそうな猫ちゃんに、広角端で寄ってみました。広角ならではの、パースペクティブが活きた一枚に仕上がりました。猫ちゃんが目の前に迫ってくる感じがします。
焦点距離:17mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:100
広角端で、最短撮影距離である0.19mまで猫ちゃんの顔に近づいてみました。顔にフードが付いちゃう!と心配になるような距離まで寄れてしまいます。おかげで迫力あるかっこいい横顔が撮れました。AF駆動がとても静かなので、猫ちゃんを驚かせずに済みました。
手ブレ補正機構「VC」のおかげで暗所での撮影も快適
本レンズには手ブレ補正機構「VC」が搭載されているので、暗いところでの手ブレを最大限に防いでくれます。
日没後に、江の島のライトアップイベントでイルミネーションを撮影してみました。当然暗い中での撮影になりますが、ボディはAPS-C機なので、ノイズを防ぐためあまりISO感度を上げたくないと思いました。そこで、シャッタースピードを1/15秒くらいまで落としてみましたが、手持ちでもブレずに撮れました。そのおかげで、いろいろな角度からイルミネーション撮影に挑戦できました。
焦点距離:17mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/15秒 ISO感度:100
ライトアップされた展望台(シーキャンドル)を撮影してみました。シャッタースピードを1/15秒まで落としてみましたが、このシャッタースピードでも、手持ちで十分撮れる印象でした。
焦点距離:70mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/20秒 ISO感度:100
イルミネーションの中に、ガラスでできた蝶が舞っていてきれいだなと思いました。絞りを開放にして、望遠端の最短撮影距離まで寄って、ぐっと背景をぼかしてみました。F2.8の生み出す大きくてきれいな玉ボケが、イルミネーションのキラキラ度を一段とアップさせてくれました。シャッタースピードも1/20秒と低速ですが、手ブレすることはありませんでした。
TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)を使用してみて
もう何年も江の島に通い続けていますが、こんなにも「撮りたいものが全部撮れた!」と思えた日は初めてです。
小型軽量さゆえの機動力に助けられ、島全体をくまなく歩くことができ、結果としてたくさんの被写体を見つけられました。また、17-70mmという幅広いズーム域が、見つけた被写体を思った通りに切り取らせてくれました。色も描写もボケ味もよく、さらには手ブレ補正機能も搭載されていることで、終日、明るさを選ばずに好みの写真を撮ることができました。
ソニーのAPS-Cサイズミラーレス一眼をお持ちで、万能なレンズが欲しいとお考えの方には、絶対におすすめしたい一本です!写真撮影が、もっと楽しくなること間違いなしです。
私は、別の季節もこのレンズを持って江の島に来たいと思いました。
写真家プロフィール

大村 祐里子 Yuriko Omura
写真家。1983年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。クラシックカメラショップの店員を経て、写真の道へ。福島裕二氏に師事後、撮影のほか、雑誌・書籍・Webでの執筆など、さまざまなジャンルで活動中。趣味はフィルムカメラを集めて、使うこと。
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