写真家むらいさち氏がタムロン17-70mm F2.8 (Model B070)と旅するリゾートアイランド・サイパン

みなさん、こんにちは!写真家のむらいさちです。水中からオーロラまで地球の美しく輝く瞬間を撮影しています。

今回は久々の海外ロケ、マリアナ諸島のサイパンに行ってきました。パンデミック後、初の海外になりました。2年半ぶりの海外、何度も訪れているサイパンですが、今の自分の目にどう映り、どう感じるのか?とても楽しみでありました。

そんな今回の旅の相棒に選んだのが、タムロン 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)。海外ロケでは荷物が多くなるので、ズームレンズをメインに持っていきます。17-70mm(35mm判換算25.5mm-105mm)という広い焦点距離をカバーしてくれるこのレンズはとてもありがたいです。

そして、「軽くて小さい」というのも、一日あちこちを駆け回るロケでは助かります。
では、実際どんな写真が撮れ、どんな感想を抱いたのか?そんなお話をしていこうと思います。

一枚目の写真( 焦点距離:17mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/440秒 ISO感度:800 使用カメラ:X-T2 フィルムシミュレーション:VELVIA)

感動や気持ちの高揚をそのまま写し込む。僕がとても大切にしていることです。ここは大好きなオブジャンビーチ、青い海・青い空・白い砂浜にヤシの木、もう最高です。こんな景色に出会いたくて僕は写真家になったのだと改めて思わせてくれた瞬間でした。その感動を、レンズをズームしながら自由に自分なりに切り取っていく。これがズームレンズの良さ。

TAMRON 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)

富士フイルムXマウント用

タムロン17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)富士フイルムXマウント用は、APS-Cサイズミラーレス一眼用の大口径標準ズームレンズです。普段使いに最適な17-70mm (35mm判換算:25.5-105mm相当)、ズーム比4.1倍を実現。画面全域において高い解像性能を維持します。また、手ブレ補正機構VCの搭載や、静かで滑らかなAF、フォーカスブリージングを抑えて快適な動画撮影をサポートします。大口径F2.8の高画質を静止画と動画、双方の撮影で手軽に楽しめる実用性の高いレンズです。

広い焦点レンジを生かして自由に切り取る

サイパンは良い意味で田舎。そののんびりした景色がとても好きです。取材だと、風景や料理、人、スナップなどあらゆるものを撮影します。そんな時このレンズなら17-70mmという広い焦点距離なので、正直なんでも撮れてしまいます。しかも、ズーム全域でF2.8という大口径。暗い場所や、大きなボケが欲しい時にも活躍してくれます。

焦点距離:70mm 絞り:F/3.5 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:640 使用カメラ:X-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA

海へのトレッキングルートを歩いていると、動めく影が。岩だと思っていたらヤギでした(笑)。寄るとこの完璧な配置が崩れそうなので、とっさに望遠側にして撮影。レンズを変えていたら間に合わないし、この焦点距離の広さはとても助かりました。

焦点距離:17mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/2400秒 ISO感度:640 使用カメラ:X-T4 フィルムシミュレーション:VELVIA

サイパンの南に位置する、コーラルオーシャンリゾート。ここは海が目の前にある本当に美しいリゾートです。どこを撮っても絵葉書の様な写真が撮れますが、その中でもそのリゾートの良さを一番表現できる場所を探して切り取っていきます。広角レンズの方が広い範囲を写せるのですが、広角すぎると建物が歪んでしまうことも多く、17mmくらいだと建物の歪みも少なく撮影はしやすいです。

美しいボケと、近接撮影を試してみる

使えば使うほど手に馴染み、ちょうど良い焦点距離、このレンズを使う頻度も高くなってきました。そして、次に気になるのはタムロンの美しいボケが、このレンズにもちゃんと継承されているのか?そして広角端で0.19m、望遠端でも0.39mという近接性能は果たしてどうなのか?ちょっと早起きをしてお花を撮影してみました。

焦点距離:70mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/105秒 ISO感度:800 使用カメラ:X-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA

プルメリアの葉っぱに着いている朝露を撮影。何気なくファインダーを覗いたのですが、背景の丸ボケが美しすぎてびっくり!タムロンのレンズを使っている理由の一つに、そのボケの美しさがありますが、この時の丸ボケの美しさは、眠気も吹き飛び、一気に撮影のテンションも上がりました。

焦点距離:17mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/85秒 ISO感度:640 使用カメラ:X-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA

このレンズの発売を聞いてからずっと気になっていた、近接撮影。早速17mm側で撮影してみました。朝露に濡れるプルメリアの雫までしっかり写っていますよね。F2.8ということでしっかりボケるので、ワイドマクロのような面白い構図で撮影することができました。ここは少し暗い場所だったのですが、手ブレ補正機構VC(Vibration Compensation)も搭載されているので安心ですね。

焦点距離:70mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/850秒 ISO感度:640 使用カメラ:X-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA

リゾートを歩いていると、凛とした美しいハイビスカスがあったので今度は70mm側で撮影。椰子の葉の独特のボケが美しかったのでそれを背景に入れての撮影です。変に癖のあるボケにもならず、素直な美しいボケを出してくれました。本気のお花撮影もできるなと、またこのレンズが好きになった瞬間でした。

軽快さを生かしてスナップしてみる

海外のリゾート取材では、とにかくいろいろなバリエーションの撮影を行います。でも日本とは違う世界に来たのだから、仕事とは関係の無いスナップもしたくなります。レンズの重量が530gしかないので、一日持って歩いていても全然苦になりません。それだけシャッターチャンスも増えるということですね。

焦点距離:36mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1500秒 ISO感度:800 使用カメラ:X-T2 フィルムシミュレーション:PROVIA

ランチで立ち寄った「OREAI」というレストラン。ここはオーシャンビューで最高のロケーション。撮影スケジュールに入っていなくても撮りたくなります。ただタコスを写すのではなく、お店の雰囲気も入れつつ写しました。撮りながらも「そうそうこれがサイパンの色!!」と、タコスより背景の色に感動しつつ撮影。

焦点距離:26mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/350秒 ISO感度:800 使用カメラ:X-T2 フィルムシミュレーション:PROVIA

ご飯を食べていると、人懐っこい子猫が足元に。飽きやすい猫はご飯をもらえないとすぐどこかに行ってしまいます。そんな一瞬でもこのズームレンズならば、ささっと画角を決めてシャッターを切れます。全域でF2.8なので猫の目にピントを合わせつつもしっかりボケも得られるのでありがたいですね。

暗い状況でも感動をしっかり写真で残す

僕の中でサイパンと言えば、「美しい夕日」のイメージが強いです。世界各地の色々なリゾートに行っていますが、マリアナ周辺は特に高確率で美しい夕日が見られる場所だと思っています。実際毎日のように見れる、空が真っ赤に焼けるような夕日を、この時も見せてくれました。夕日の撮影では機動性を重視するので、三脚はいつも使いません。手ブレ補正機構VCや、レンズの軽さがここでも役に立ちました。

焦点距離:17mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/3500秒 ISO感度:640 使用カメラ:X-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA

初日の夕日の時間帯は風が止み、リーフ内は鏡のような水面になっていました。もちろんそれを利用して、写り込みを入れつつ撮影。雲が多かったのですが、それが写り込みをより面白くしてくれました。ここからさらに空が焼けるのを待ちます。

焦点距離:17mm 絞り:F/9 シャッタースピード:1/58秒 ISO感度:640 使用カメラ:X-T4 フィルムシミュレーション:VELVIA

日没間近、今日は雲も多く空も見えないので、無理かなと思っていた時、一気に空が焼け始めました。興奮を抑えつつも、構図を決めて撮影。現場では、雲が無ければ・・・なんて思っていましたが、写真を見るとこの雲があったおかげで面白い作品に仕上がりました。

焦点距離:17mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/25秒 ISO感度:1250 使用カメラ:X-T4 フィルムシミュレーション:VELVIA

翌日、雲の多かった昨日のリベンジとまた夕日の撮影に出かけました。日没まではあまり焼けなかったのですが、日も沈みマジックアワーの時間帯になると、雲の隙間からでる薄明光線が放射状に出始め、それがどんどん伸びていきます。そして言葉にならぬほど美しく感動的な夕日を見せてくれました!!!実際はかなり暗かったのですが、手ブレ補正もしっかり働いてくれて納得のいく撮影ができました。もう何も言葉はいりませんね。

タムロン 17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)を使用してみて

今回の旅で初めてこのレンズを使ったのですが、僕の撮影スタイルととても相性が良かったです。海外の取材では、とにかくいろいろなものを撮影します。撮影時間にも限りがありますし、出来れば撮影に集中したいのでレンズは交換したくありません。そんな時この17-70mm F/2.8 Di Ⅲ-A VC RXD (Model B070)ならば、引きの風景、寄りの食事や花、ボケを生かしてポートレートも撮れてしまうという何とも万能なレンズで、取材中も多くのカットをこのレンズで撮影しました。正直使う前は標準ズームレンズで個性を出すのって難しいなと、少し不安でもありましたが、このレンズで十分作品も撮れました。そして最後にどんな状況でも安定して美しい絵を出してくれるタムロンへの信頼感が、このレンズでもしっかり実感できました。このレンズを持って、次の旅に出たい、今はそんな気持ちです。

撮影協力:マリアナ政府観光局、マリンダイビングウェブ

写真家プロフィール

むらいさち Sachi Murai

20歳の頃より沖縄の小さな島に移り住みダイビングガイドとして過ごす。その後広告写真家の助手、ダイビング出版社のカメラマンを経て独立。現在は、水中から夜空のオーロラまで、地球上のあらゆる場所で自身のテーマである「幸せの瞬間」を求め、独自の感性で撮影を続けている。広告や雑誌を中心に、トークショーやセミナー、メディアへの出演など活動は多岐に渡る。

著書に、写真集「ALOHEART」「LinoLino」(LifeDesignBooks)、「きせきのしま」(小学館)、「FantaSea」(BUNKADO)「しあわせのとき」(LibroArte)。写真絵本「よるのこどものあかるいゆめ」詩:谷川俊太郎(マイクロマガジン)、教本「光と色の写真の教科書」(技術評論社)。「カメラ好き*1&2」(マイナビブックス)。2021年に新刊「Life is Beautiful」(LiB Books)を発売。

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富士フイルムXマウント用
APS-Cサイズミラーレス一眼用の大口径標準ズームレンズです。普段使いに最適な17-70mm (35mm判換算:25.5-105mm相当)、ズーム比4.1倍を実現。画面全域において高い解像性能を維持します。また、手ブレ補正機構VCの搭載や、静かで滑らかなAF、フォーカスブリージングを抑えて快適な動画撮影をサポートします。大口径F2.8の高画質を静止画と動画、双方の撮影で手軽に楽しめる実用性の高いレンズです。

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