写真家 渡部 憲之氏がタムロン17-35mm F2.8-4 (Model A037)で撮影するEXTREME SPORTS

エクストリームスポーツの種目、スケートボードとBMXを撮影。撮影場所は 以前から知っている場所でしたが、今回は時間的にタイトで機材も多く持っては行けないだろうと、TAMRON 17-35mm F/2.8-4 Di OSD (Model A037)を持ち出し撮影に挑んでみました。

一枚目の写真( 焦点距離:17mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:100

まずは ライダーのコンディションをチェック。元々 自分もライダー側の立場でしたので、その日のコンディションは必ずチェックします。あえてライダーの視界に入りずらい場所を見つけ超広角レンズだから出来る構図を作ります。手の平ほどしかない丸い窓ガラスもしっかり寄れることで大きな窓から覗いているような不思議な感覚になりました。

狭い空間でもしっかりとパースを効かせられる

超広角の醍醐味といえばパース。このパースをどう楽しむかがエクストリーム撮影の背景作りにとても重要です。この日、タムロン17-35mm F/2.8-4 Di OSD を選択して正解だった事は、写真を見ればわかるように上下間がかなり狭い場所でしたが、超広角レンズのパースのおかげで奥行きや広がりを見せた背景にライダーをしっかり組み込むことができました。

無論 超広角レンズは 被写体にしっかり寄って撮影した方が、トリックの強さも増してきます。

焦点距離:17mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/200秒 ISO感度:125

狭い空間でパースを効かせた撮影です。しっかり写るものと淡く写るものを計算して、被写体に集中できる背景を心がけます。

焦点距離:17mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:800

シャッターチャンスは 一瞬。 何よりもスタイルを重視するライダーの為に、どんな場所で何をしたかを一枚に表現しなければなりません。

とにかく取り回しが楽!

このレンズは 本当に取り回しが楽なんです!カタログ上で重さ460g。そしてコンパクト設計なので、撮影時に移動やアングルが常に変化するエクストリームスポーツ撮影にマッチするレンズです。それに何と言ってもAF 描写力についても納得できる性能ですね

焦点距離:17mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/2000秒 ISO感度:800

撮影アングルをすぐに変更しても持ち手の疲労感もなく、細かい背景郡もしっかりと描写してくれます。

夕暮れ時から暗くなるのが早いこの時期に

この時間帯はストロボを使用しますが、夕日の光源もありストロボ光以外の手ブレが気になるところ。距離が近く動きの速い被写体を撮影する時に注意すべきは、被写体につられないこと。無意識につられる場合が多く、接近すればするほど音や動きにつられやすくなります。つられてしまえば当然背景の定常光が当たっている部分はブレてきます。今回使用したレンズには手ブレ補正は付いていないので、集中ししっかり固定し撮影します。レンズも軽くAFの精度も高いので、ここは安心して1ショットで撮影に成功しました。

焦点距離:17mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:400

夕暮れをバックにライダーのトリックを影とともに表現しました。

焦点距離:17mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:400

街灯の様な光をストロボで調整し撮影。

レンズの軽さはフットワークも軽くする

専用施設やスケートパークと違い、エクストリームスポーツの根源はストリートにあります。同じ場所に留まらず常に移動しスポットを探し続け、ライダーは体力や精神力の続く限り毎日の様に動き回るのです。そんなライフスタイルを理解しなければ、彼らの本当の姿を撮影することは出来ません。

撮影者も同じことで、機材をいかに軽量化して集中力を高め打率を上げるかが重要で、撮影ミスをすれば彼らの体力やテンションを奪いかねません。

焦点距離:17mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/30秒 ISO感度:1600

背景の暗さに合わせて設定。スカイツリーをバックに撮影しました。

TAMRON 17-35mm F/2.8-4 Di OSD (Model A037)を使用してみて

軽さ、画質、17-35mmという焦点距離、最短撮影距離。総合的に撮る側のパフォーマンスを底上げしてくれるレンズだと確信できました。今回は、エクストリームスポーツという事もあり広角側しか使用していませんが、この1本で いく先々の撮影ができます。17mmの超広角側で風景なども良いし、35mmはスナップ時に使いやすい画角です。新しいコーティングのおかげで逆光でも安心できます。あとはズーム全域で0.28mから撮影が可能であることも魅力で、500mlのペットボトル飲料を持ち歩くくらいの気軽さです。是非みなさんも手にとって試してほしいと思います。

渡部 憲之氏 プロフィール

渡部 憲之 Noriyuki Watabe

通称 DB nori。元プロインラインスケーター。現役時代はストリートのスペシャルチーム「 Dister Blend 」に在籍し、ムラサキスポーツ、K2、mach10 などのサポートを受け、プロライダーとして活動をしていた。現在はエクストリームスポーツフォトグラファーに転身し変化の激しい被写体の接近撮影を得意としSKATEBOARD、BMX、INLINESKATE、PARKOUR などエクストリームスポーツ関連の広告、作品を撮影し撮影技術をエントリーユーザーに伝えるため各撮影ワークショップを行っている。

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