写真家 水谷 たかひとがタムロンSP 150-600mm G2で撮るバイクレース

私は1991年から現在に至るまで国内外でバイクレースを撮り続けています。バイクレースの面白さは車両にほぼ覆い隠されるカーレースとは違い、人間がほぼむき出しなところです。ライダー個々のライディングフォームは魅力的で、マシンから投げ出されたら命に係わるであろう緊張感もファインダーからビシビシ伝わってくる、そんな魅力満載のバイクレースで人間を表現したいと思い、長年撮り続けています。

今まで自身の相棒として使用してきた機材は、ずっと同じメーカーのものです。今でも絶対的な信頼は置いていますが、あるときTAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)の存在を知り、150-600mmというレンズの焦点距離的に興味が沸き使用してみました。

一枚目の写真( 焦点距離:500mm 絞り:F/7.1 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度160

1枚目の写真はライダーと路面との密着感を表現しています。膝を擦るのは当たり前で、今は肘・全身を路面に着けるほどに傾けてコンマ何秒を削っていく、そんな瞬間を捉えました。

焦点距離:600mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度500

雨中での撮影は大好きで、積極的にカメラを構える。マシンコントロールが格段に難しくなる中でライダーは水しぶきと前輪を上げながらタイムアタックする。その姿を狙った一枚。

焦点距離:552mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度500

マシンを真っすぐに走らせるのも大変な大雨の中で、並走に近い状態で直線を駆け抜ける二台。怖いなと思う気持ちより、ゾクゾクしてしまった瞬間。

焦点距離:600mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/100秒 ISO感度2500

バイザー越しにライダーの眼を狙える瞬間は数少ない。常人を超えた人間の眼は鋭く、魅力的だ。SP 150-600mm G2 ならピット外から眼だけを狙える。

焦点距離:600mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度1600

マシンの傾きと半身を投げ出してコーナーリングするライダーを後ろから狙った。タイヤと路面の接地量の薄さもわかると思う。マシンとライダーの凄さが伝わってくる一枚。

焦点距離:600mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/320秒 ISO感度320

流し撮りはシャッター速度を落とせばそうなると思っている方が多いかもしれない。決してそうではなく、被写体の速度・レンズを振る量・流れを強調できる背景などを適切に考慮することが重要なのである。

TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2(Model A022)を使用してみて

手に取って体感してもらいたいレンズです。高倍率の超望遠レンズでありながらコンパクトで軽量、画質もシャープで非常に満足している。特に600ミリ側での画質やAF追従性が優秀で最も気に入っているポイントです。ズームロックスイッチも秀逸で、撮影中・移動中によくある、ズームが動いてしまっていて困るといったことから解放されます。手振れ補正機能がしっかり効くのも魅力的です。何より、手の届く価格帯の超望遠ズームレンズの中で最も手に取って体感してもらいたいレンズのひとつで、身近に超望遠の世界をハイレベルで堪能できると思います。

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はじめに

動体撮影においては急激にテクニックが上手くなることはありません。
順を追ってテクニック向上を目指しましょう!

まずAFで被写体を追うのですが、じっくり慌てずにAFポイントを被写体に合わせ続けます。急に被写体にAFを合わせてシャッターを切っても上手く写りません。狙いたい被写体シャッターを切る前から追うのです。自身で「ここだ!」と思ったときにシャッターを切るわけです。カメラの撮影コマ速が早いカメラでは連写を行いましょう。数多くチャンスを切り撮れるわけですから、お気に入りの一枚を手に入れる確率が上がります。

シャッタースピードについて

最初はシャッター速度は速めに設定します。スピード感を出すためだけにシャッター速度を下げるのはご法度です。コーナー出口からバイクが高速で立ち上がって来るシチュエーションではシャッター速度を1/500秒や1/1000秒できっちり立ち上がってくるバイクを捉えます。バイクにAFを正確に合わせることを念頭にしてください。

被写体の移動量が速く、レンズを振る速度が速くなる場合は、1/60秒でもブレてしまいます。
まずは1/160秒から1/320秒などでチャレンジしてみてください。

カメラの挙動について

カメラとレンズの扱いですが、全てにおいて急な動きはいけません。急にカメラを構える、急にレンズを振る等々です。ブレの原因に繋がります。しっかりカメラとレンズをホールドして撮影準備をしましょう。必要であれば一脚も使用します。

まとめ

流し撮りは非常に難しいテクニックです。雑誌などでも取り上げられていますが、簡単にマスターできる撮影技法ではありません。アドバイスとしては同一方向に上下運動が少なく移動している被写体を、それと同等同様にレンズを向けて振っていくのです。

流し撮りとスローシャッターによるブレ撮影は違います。流し撮りは被写体にピントの芯が必ず必要と思っています。どこにもピントの芯が無いのはピンボケでありブレた写真なだけですので、そこを理解して挑んでください。

流し撮りなので、流れる背景も重要です。撮影条件によってテクニックが大きく変わってきますので、数多く練習することが大事です。

写真家プロフィール

水谷 たかひと Takahito Mizutani

1968年東京生まれ。1990年東京総合写真専門学校卒業と同時に渡仏。冬季オリンピック、モータースポーツ、ウインタースポーツ、サッカー、ラグビー等を中心にヨーロッパで取材を続け3年後に帰国。拠点を日本に移しスポーツイベントを追いかける。
2001年・個展「NEVER END」をキヤノンサロンにて開催、同時に同名の写真集発刊。
2005年・グループ展「水谷ファミリーグラフィティー・MY SPORTS」を品川キヤノンギャラリーSにて開催。
2014年・報道写真展「上村愛子 16年のキセキ」をニッケ コルトンプラザにて開催。同時に同名の報道写真集を発刊。
2013年より「ジャパンラグビートップリーグ キヤノンイーグルス展 Photos by TAKAHITO MIZUTANI」を現在に至るまで毎年開催。(キヤノンオープンギャラリー品川)

その他、企画展・グループ展に数多く作品を出展。
株式会社マイスポーツ出版代表取締役。

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