スポーツフォトグラファー小川 和行氏がタムロン 150-500mm F5-6.7 (Model A057)で女子サッカーを撮る

スポーツフォトグラファーの小川和行です。スポーツ界ではビッグイベントが終わり、寝不足の日々から解放されました。大きなスポーツイベントが終わると「スポーツをしたい!」という方がたくさん増えますが、ぜひ「スポーツを撮りたい!」という方も増えてほしいと切に願っております。
というわけで、今回は関西の強豪チーム、武庫川女子大学サッカー部の練習試合を撮影させていただきました。スポーツ写真と言われてパッと思いつくのは、やはりサッカーという人も多いのではないかと思います。個人的にサッカーは、スポーツ写真撮影の基本的なテクニックが詰まっているスポーツと考えています。であるならば機材もきちんとスポーツ写真を撮れるという信頼感が大事になってきます。その信頼感が一番大きく関わるのは「AF性能」です。
今回は超望遠ズームレンズのタムロン150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)を使用して、そのAF性能を軸にレンズのお話をさせていただこうと思います。
一枚目の写真( 焦点距離:392mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:640 使用カメラ:α1)
サッカーといえばやはりシュートシーン。パスを受け手のダイレクトシュートのシーンを捉えました。よくココ!というところでピントが抜けてしまったりもしますが、タムロン150-500mm F5-6.7 (M0del A057)は、きちんと追従してくれました。ずっと連写して撮るのではなく欲しいタイミングが連写のコマに入るようにタイミングを測って連写します。
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)
ソニー Eマウント
タムロン150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Model A057)は、望遠側の焦点距離500mmを確保しながら、手持ち撮影も可能な小型化を実現。高画質な描写性能はそのままに、超望遠500mmの世界を手軽にお楽しみいただけます。追従性に優れた高速・高精度AFと、手ブレ補正機構VCの搭載により、超望遠域での手持ち撮影をサポートします。
AF性能を信じてストレスない撮影を
AF性能といっても求められる要素は大きく言うと2つ。狙った被写体にパッと合わせてくれる初動。そして食いついた被写体を追いかけ続けられる追尾。これらの性能は最近のカメラ本体の高性能化によって撮りやすくなってきているのは大前提としても、レンズ側の性能も無視できません。
サッカーでは、プレーごとの場面や狙いによって求められるAF性能も違ってきます。今回のような超望遠ズームレンズなら一通り色々なものが撮れますが、「大事な場面なのにピントが合わない」など、撮りながら「今のピント合ってたかな?」といった不安を抱えながら撮影するのでは折角の便利さも打ち消されてしまいます。
スポーツを撮る上で、同じ場面は2度と来てはくれません。撮ってすぐプレビューで確認なんてしている時間はありません。「よし今のシーンは撮れた。次だ。」「どんな機材を使っても外れる時は外れるし、外れたのは自分が悪い」くらいの気持ちで撮影に臨みたいものです。
焦点距離:500mm 絞り:F/6.7 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:800 使用カメラ:α1
こちらはパスをトラップした瞬間。長めのパスでしたが、受け手をパッと捉えてくれたAF。ここできちんと合ってくれれば、次のシーンの撮影までに余裕ができます。
焦点距離:390mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:640 使用カメラ:α1
ドリブルをズーミングで被写体の大きさを調整しながら追いました。被写体に合わせられるのはズームレンズの利点。もちろんそればかりでは面白い写真にはならないかも知れませんが、きちんと撮れるというのがやはり大事なポイント。
焦点距離:500mm 絞り:F/6.7 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:640 使用カメラ:α1
スローインの駆け引きというのもサッカーの場面の一つ。ここは寄って撮ることで次のプレーを想像させるように狙ってみました。ちょっと困り顔にも見えますが、彼女の頭の中はフル回転しているはずです。
どんな環境で撮影できるか、使っていくことでレンズの特長を知る
サッカーは屋外スポーツであるが故に、撮影が環境に影響されることが多々あります。一言に環境と言っても、天候・時間・季節など自然のものもあれば、会場ごとに異なる条件も発生します。テレビで観戦していても、つい「撮りづらそうだな・・・」などと考えてしまうのは職業病でしょうか。好条件も悪条件も、それらを表現に繋げられるのが理想であり、どんな状況でも撮影をこなさないといけません。そのためにも自分の手持ちの機材の特長をきちんと知っていくことが必要です。
今回は順光・逆光が入れ替わる環境でした。逆光でAFが合いづらいのは当然として、その中でどこまで合わせてくれるのかなと思っていましたが、期待以上に合わせてくれました。これくらいに逆光でも合わせてくれるのならば、もっと遅い時間帯や低照度でも対応できそうです。こうして使っていくことでレンズの特長を知って次の撮影にも活かされます。
またカメラもレンズも、ファームアップによって劇的に進化していきます。そういった進化にもついていけるように使っていきたいです。
焦点距離:500mm 絞り:F/6.7 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:640 使用カメラ:α1
順光側でも選手のアクションが大きく変化する時にAFは外れがちです。ドリブルでキーパーと1対1、シュートかドリブルか・・・。果敢に突破を試みる選手に、撮っている側も力が入る瞬間でした。
焦点距離:500mm 絞り:F/6.7 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:800 使用カメラ:α1
右側を広くした構図で、パスの方向を意識するように撮りました。逆光ではありましたが、機材を信じてシャッターに集中できました。
撮りたいものを離さない、瞬間も逃さない
サッカーはチームスポーツ。ピッチ上にはフィールドプレイヤー20人+審判という人数が動いています。当然敵の選手は防ぎに来るわけですから、狙った瞬間に前を別の選手が横切ることなんて珍しくありません。問題はAFが近い選手に移ってしまい、その一連のプレーが撮れなくなってしまうことです。おそらくカメラのAF性能が向上すればするほど、この悩みは大きくなっていくのだとも思います。早めに狙いの選手をしっかりと捉え、そのまま連写の中で捉え続けてくれるのは非常に助かります。
またAFの追従性能はもちろん必要ですが、もし外れてしまってもAFが信頼できれば次の捕捉まで気持ちにも余裕ができます。追ってみてダメだったら切り替えるくらいの気持ちで臨めるのが、ストレスなく撮影できていいなと思います。
焦点距離:431mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:800 使用カメラ:α1
中央からドリブルで左に流れながら左足でシュートという場面。パスを受けようとした選手が前を横切りました。ドリブル中から連写していましたがシュートを打つ選手を捉え続けてくれました。
焦点距離:500mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:800 使用カメラ:α1
近年超望遠レンズが非常に身近なラインナップになってきている印象があります。どうしても望遠系のレンズはAFを求められるシーンの撮影が多くなる傾向にあるので、カメラの進化に並行してレンズも進化しています。
普段は望遠単焦点レンズで撮影することが多いですが、撮影する内容によってはこういったズームレンズを信頼して使っています。その恩恵はただコンパクトで取り回しがいいということに留まらず、AF・画質とも信頼に足る力があるレンズであり、シンプルに被写体を撮っていくような撮影や、ズームによってさまざまな焦点距離でとらえた作品撮りもできます。タムロン150-500mm F5-6.7 (Model A057)は、超望遠デビューにお薦めできる1本だと思います。
撮影協力:武庫川女子大学サッカー部様
写真家プロフィール

小川 和行 Kazuyuki Ogawa
1979年生まれ。30歳まで外食業界で働いていたが、一念発起して写真の道へ。日本写真芸術専門学校卒業。パラスポーツを中心に、国内外で数々のスポーツイベントを撮影。
【写真家サイト】
- Twitter:https://twitter.com/KZno2
- Instagram:https://www.instagram.com/kz_no.2/
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