星景写真家 北山 輝泰がタムロンSP 15-30mm F/2.8 G2を使いたおす!

星景写真家の北山 輝泰と申します。TAMRON MAGへの登場は2回目になります。
今回は、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A041)を使って撮影をしてきた星景写真をご紹介していきたいと思います。

実は私にとって、15-30mm F2.8という焦点距離のレンズは非常に馴染みが深いものがあります。というのも、前モデルのSP15-30mm F/2.8(Model A012)は、私のお気に入りのレンズ、そして長年の相棒でした。高感度撮影に定評のあるCanon EOS 6Dと組み合わせながら、ほぼ全ての撮影に携行して、全国各地、時には海外の星空を一緒に撮影してきました。

SP 15-30mm G2の圧倒的解像力

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:25秒 ISO感度:3200

雲に覆われた空が急に晴れ渡り、夏の天の川が現れた。粘り勝ちの一枚。

焦点距離:30mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:30秒 ISO感度:3200

地方の遠征では撮影できる日が限られているため、運も味方につけなければならない。

春を待つ雪上の一本桜。大口径F/2.8のおかげでISO感度も無理な値にすることなく撮影できました。 広角15mmで広く夜空を撮影し、30mmで地上風景を大きく、星座をクローズアップして切り取っていくなど、星空で最も使う画角をカバーできるこのレンズは、星景写真の神レンズといっても過言ではありません。

そんな神レンズが焦点距離、F値は据え置きでリニューアルされるということで、私も今か今かと待ち望んでいたわけでありますが、タムロンさんにも協力いただいた2泊3日の美ヶ原高原の星景写真ワークショップの開催の日が、なんとちょうどキャノンEFマウント用の発売日(2018年10月12日。ニコンマウント用は2018年9月21日発売)ということで、念願のファーストショットは美ヶ原高原で迎えることができる!と思ったのですが、あいにくの天気、、、。自分の不運を呪いました。

日を改めて撮影を行った写真がこちらです。

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:15秒 ISO感度:3200

夜景が目の前にあっても気にせず撮影を行う。白とびしないギリギリを見極め、足りない空の露出はRAW現像でカバーする。

ワンショット目で「このレンズは最高だ」と確信しました。まずその圧倒的な解像力。微光星の一つ一つまで、収差を極限まで抑えてクリアに写し出してくれています。さらに、星の撮影では気になる周辺減光やサジタルコマフレアもほとんど気になりません。星景写真では、夜景とともに撮影する機会も非常に多いのですが、こういった構図では、四隅に明るい光源があると収差がとかく目立ってしまうものです。SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2の解像力を持ってすれば、それらのストレスから開放されるでしょう。

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:15秒 ISO感度:3200

15mmという広い画角ではたくさんの星を写し取ることができる反面、何を撮りたいかがブレてしまう。ズームレンズの特性を生かして、適切な焦点距離をチョイスするようにしよう。

レンズの開放値がどれだけ低くても、開放値でしっかり解像してなければ意味がありません。SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2は、それこそ「F/2.8からしっかり使えるレンズ」であると言えます。

リアフィルターを使って楽しむ

さらに、SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2には、私が切望していたリアフィルターホルダーが標準装備となっています(残念ながら、キヤノンEFマウント用のみ)。リアフィルターホルダーとは、レンズの後玉に指定サイズに切り取ったゼラチンフィルターを挿すことができるというものです。前玉が大きく繰り出している大口径レンズでは、今までフィルターを取り付けることができませんでしたが、その打開策となります。

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:15秒 ISO感度:3200

星のにじみは、選ぶソフトフィルターの種類によって変えることができる。好みのにじみ具合をさぐり当てるのもまた楽しい。

2つ前の写真でお見せした夜景と星空の星景写真に、Lee社のNo.3というソフトフィルターを挿して撮影を行いました。星が少しにじんで大きく写っているのがお分かりになるでしょうか?ソフトフィルターを使うと、
全体的なにじみ効果が得られ、星を強調して撮影を行うことができます。
ただし、ご覧のように地上風景の明かりまでも大きく写ってしまいます。

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:15秒 ISO感度:3200

カシオペア座周辺の星々は、面白いギリシャ神話を持った星座が多く集っている。ぜひ星空の知識も習得して撮影を行って欲しい。

ソフトフィルター効果で、秋の星座たちが寄り添う静かな星空も、色鮮やかな印象的な星空にすることができました。地上風景に明るい光源がないため、全体的なにじみは気になりません。構図を選べば、リアフィルターは星景写真をより魅力的なものにする武器となります。

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:20秒 ISO感度:3200

夜空に大きなカーブを描く春の大曲線こそ、広角の出番。15mmの画角をフルに使おう。

星をにじませることで、明るい星とそうでない星を明確に分けることができます。メジャーな星座は明るい星で構成されているものが多いので、星座の写真を撮りたい方はリアフィルターをうまく使いこなすことが大事でしょう。

薄いシート状のフィルターは、市販のカッターで簡単に切ることができる。同じサイズのものを何枚か準備しておくと、撮影地で紛失してしまった時にも安心。

切り取ったフィルターを傷がつかないように保管をしておくためのケースも準備しておこう。

リアフィルターホルダーのサイズは34mm(横)x 29mm(縦)となります。市販されているものではないので、ソフト効果のあるゼラチンフィルターを購入して、自作する必要があります。くれぐれも怪我のないように十分注意して作業をするようにしましょう。切り取ったフィルターはCFケースなどを代用して保管をしておくのがおすすめです

星景写真は2月が面白い

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:15秒 ISO感度:6400

セルフタイマーにして自撮りを行う。撮影地で星空を見上げた記念に必ず撮影するようにしている。

2月は、冬の天の川から、明け方には夏の天の川まで、様々な星空を堪能することができる、一年の中でも星景写真の撮影が面白い月です。さらに、明け方が近づくと東の空に様々な惑星が集い、賑やかな夜空を見ることができます。

焦点距離:30mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:25秒 ISO感度:3200

明け方の空は露出が刻一刻と変わるため、ヒストグラムを見ながら撮影行う。

ぜひ、SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2で、あなただけの星空を写真に残していっていただきたいと思います。

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A041)を使用してみて

SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2(Model A041)は、ご紹介してきた解像力以外にも魅力的なポイントがあります。それは「高耐久防汚コート」です。前玉が繰り出している分、意識せずレンズ面を触ってしまったり、
様々な埃やゴミがついてしまいがちですが、このコーティングにより、汚れにくく、またメンテナンスしやすくなっています。屋外の環境で長時間撮影をすることが多い星景写真には、とても魅力的なものでしょう。

SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2は、星景写真を撮る楽しさをもう一度教えてくれた、私にとって大切なレンズです。これから星景写真を始める方にももちろんおすすめですが、すでに始められている方にも、ぜひおすすめしたい一本です。

写真家プロフィール

北山 輝泰 Teruyasu Kitayama

1986年12月1日、東京生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。在学中、授業で天体望遠鏡を使った撮影を行なったことがきっかけで、宇宙への興味関心が強まる。
卒業後、福島県鮫川村に移住し、村営の天文台で星空のインストラクターをしながら、本格的に天体写真と星景写真を撮り始める。
その後、天体望遠鏡メーカーに就職。2017年に星景写真家として独立をし、国内、海外問わず、各地で星空の撮影を行っている。

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TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A041)

高画質の頂きを求めて。生まれ変わる渾身のフラッグシップ。