写真家 藤村 大介がSP 15-30mm F/2.8 G2で撮るバルト三国の旅 スナップ編

バルト三国、全ての国名を言える方は余程の地理好きか、旅した事のある人、または世界遺産好きでしょうか?実は僕も旅しておきながら、未だに名前を間違えたりします。前回の街並み編に続き今回は、ラトビアのリガ、エストニアのタリン、リトアニアのヴィリニュスを、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A041)を持って、首都の街歩きスナップをしてきました

一枚目の写真( 焦点距離:30mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/13秒 ISO感度:64

日本で言えば白川郷?妻籠や馬籠宿?そんな歴史的で美しい地域がバルト三国の首都。街中全てが美しく、どこを向いてもモデル撮りできそうです。ここはエストニアの首都タリン。バルト三国の首都は、3都市とも白川郷のように旧市街全体が世界遺産に登録されています

ラトビアでスナップ

バルト海に面した港町リガ。バルト海の真珠と言われる美しい街で、日本では殆ど見かける事の無いアールヌーボー調の建築の宝庫です。歴史は古く、東ローマ帝国への交易で栄えてから様々な歴史の中で貿易や文化、経済の重要都市でしたが、近代ではその繁栄が周辺各国の侵略を招く事になり、1991年に独立するまで激動の歴史を繰り返してきました。特にハンザ同盟時代の街並みが美しく、ロマネスク、ゴシック、バロック様式の建築群が至る所に見られる旧市街は、世界有数の圧巻の歴史地区と言えるでしょう。

焦点距離:15mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:64

まずはリガでお散歩。美しい公園を歩くとなんだか心まで清らかになってきた気がします。運河の遊覧船をパチリ!

焦点距離:15mm 絞り:F/5 シャッタースピード:1/10秒 ISO感度:64

何気なく置かれた自転車ですが、背景に美しい壁、黄色い落ち葉、被写体として申し分の無い存在が普通にあります。ここは街中の全てが被写体になる、そんな美しい場所なのです。絵にならない邪魔な物が少ないので、広角レンズを使うのが楽しくなります。

焦点距離:15mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/2秒 ISO感度:64

リガの大聖堂にあるパイプオルガンは世界で4番目に大きいそうです。実際、この音色は耳で聞くと言うより体で感じる音でした。オルガン好きの私にとって、忘れられない体験です。教会の天井はとても高く、柱や祭壇などを写すためには超広角が必要です。収差の少ないレンズのお陰で、隅まで綺麗に写す事が出来ました。

焦点距離:26mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:64

バルト三国では琥珀が有名ですね。教会前では露店で琥珀のアクセサリーを作って売っていました。重厚感のある建物と手前の琥珀をボカし過ぎないよう絞りは少し絞っています。円形絞りの効果で心地良いボケ味になりました。

焦点距離:15mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:64

突然現れた馬車?ではなく人力の車です。後ろはカウンターバーのようになっていて飲み物を飲みながら足が動いています。ペダルを漕いで進む車だったのです。突然の出現に驚きましたが、素早いAFで難なく対応出来ました。

焦点距離:焦点距離:26mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:64

流離いの歌手?決まっていますね。ポートレイトで広角を使うのは難しいのですが、背景をいかに使うかを考えると広角の方が便利になってきます。このレンズは背景を見せる事も見せないでボカす事も出来る、万能レンズでもあります。周辺までキッチリとした描写で再現してくれるので、安心して四隅まで構図を計算できますね。

焦点距離:15mm 絞り:F/4 シャッタースピード:1/4秒 ISO感度:640

声をかけてきた3人の男性を撮影させて貰いました。スローシャッターでの撮影でしたが、強力な手ブレ補正機構「VC」により止まっています。背後に歩いている人がいますが、被写体ブレで殆ど見えなくなっています。

エストニアは街中がメルヘン

エストニアの首都、タリンです。フィンランドのヘルシンキから85kmと近く、北欧と一緒に旅する人が多いようですね。現にタリンは昔からフィンランド湾の主要都市であり、中世ハンザ都市として栄えた港湾都市です。地理的に北欧、中欧、西欧、ロシアの間にあり、ラトビアのリガと同じく繁栄と侵略の歴史を繰り返してきました。

焦点距離:22mm 絞り:F/5 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:64

旧市街にあるトームペア城。三角に見える塔の屋根が可愛く印象的ですね。そしてお城の庭は僕の庭、という子供達。遊び場がお城なんて、素敵ですね。

焦点距離:30mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/160秒 ISO感度:64

街中で広角レンズを使う場合、建物の歪みをどうするかを意識しなければなりません。真っ直ぐにするのか、歪ませるのか。広角レンズの特徴を利用し、遠近感やパースについて考えなければ失敗します。さらに光を掴む事で、劇的な作品に仕上がります。その為にはフレアやゴースト、収差など、光による弊害が起きやすいレンズは避けたいものです。その点SP 15-30mm G2は、安心して使えるレンズです。

焦点距離:15mm 絞り:F/3.2 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:64

超広角だからこそ、こんな寄りの写真でも背景を取り入れる事が容易です。

焦点距離:26mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:64

和服が欧米人に人気があるように、昔ながらの伝統的な服は可愛くて美しいですね。男性用でも煌びやかで美しく鮮やかです。クラシックで嫌味のないデザインがカッコイイですね。

焦点距離:15mm 絞り:F/5.6 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:160

逆光に強いレンズなので、朝や夕方の斜光線をどんどん活用できます。ドラマチックな作品は、濃淡のある光から生まれる事が多く、それは朝や夕方に訪れます。

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1.6秒 ISO感度:64

夜景写真には強烈なコントラストが伴います。街灯やイルミネーションなどの強い点光源と、物陰などのシャドー部。時にハイライトの白飛びには注意しなければなりません。この写真はAXコーティングのお陰で中央付近の強い光源も悪影響無く撮影できました。そして1.6秒の超スローシャッターで撮影。普通のレンズなら三脚無しで撮影するのは難しいですが、SP 15-30mm G2なら超高性能な手ブレ補正機構を備えていますので、こんな常識外れな撮影が可能なのです!

落ち着いた古都、ヴィリニュス

リトアニアの首都ヴィリニュスは、バルト三国で唯一の内陸にある街です。港町の活気がそのまま街の印象につながっているリガやタリンとは違い、とても静かで落ち着いた印象です。そんな旧市街の路地裏を歩き、スナップショット!

焦点距離:30mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:64

なぜか割れた鏡が壁に貼り付けてありました。最短撮影距離が28cmと短いので、広角接写にも有効です。フォーカススピードが速いので、一瞬のシャッターチャンスも逃さずに撮影できました。

焦点距離:30mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/80秒 ISO感度:64

何気ないスナップショットですが、輝く髪、ハイライトからシャドーにかけてのトーン、一本一本の髪の毛の質感、ボケ味など、優秀なレンズを使わなければ撮れない一枚です。

焦点距離:30mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/40秒 ISO感度:64

30mmという焦点距離は、スナップショットにおいてとても撮影しやすい画角だと思います。広角のパースペクティブによる歪みも少なく適度な距離感で、見た目の印象に近い映像を再現できます。画面の四隅までキッチリと描写してくれるのは、さすがです!

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1/1600秒 ISO感度:64

夕日が差し込む路地裏を絞り開放で撮影してみました。今までなら何らかの目的や意図が無い限り絞りを開放にする事はありませんでした。ピントが甘くなったり周辺光量不足や解像感が低下したりと、良い事はあまり無いからです。しかしそれは普通のレンズの話。SP 15-30mm G2では開放でも問題なく良い画質で撮影できます。AXコーティングのお陰ですね。よく見ると、飾り気は無いけれど雰囲気抜群のお店でビールを嗜む人もいます。

焦点距離:15mm 絞り:F/2.8 シャッタースピード:1.6秒 ISO感度:64

超スローシャッターを手持ちで撮影。上手くバスの光跡も入り、人がちょうど良い場所に立ち止まってくれました。三脚を立てる時間が無く慌てて手持ちで撮影。ちょっと焦ってしまい、ほんの少し手ブレしました。しかしこの露光秒数から考えると許容範囲でしょう。今回も強力な手ブレ補正「VC」に助けられました。

TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 (Model A041)を使用してみて

上質なレンズは大きく重い物が多いですね。光学設計上当たり前の話なのですが、最近はミラーレス一眼が主流になりつつあり、レンズの大きさがよく取り沙汰されます。しかし、そもそも写真を撮る目的が何なのかを考えてみましょう。単に記念写真なのか、作品として残したいのか。良い写真を撮りたいのであれば、良いレンズを使う事は最も重要です。カメラ本体の重要度はレンズの次だと私は考えます。そして私はレンズに合ったバランスの良いカメラを使います。大口径レンズなら一眼レフですね。スナップだけでは無く、自然風景や夜景、建築物など多岐に渡る撮影を無難にこなすには、良い画質とバランスの取れたレンズは必須なのです。

広角ズームで手ブレ補正付きというのはメリットが大きいですね。私のように夕景や夜景を多く撮影する人は特に感じるところだと思います。上の最後の写真のように、手持ちで夜景をスナップショット感覚で撮影するという事は、今まででは全く考えられなかった事です。SP 15-30mm G2のお陰で撮影の幅がグンと広がりました!

このレンズはフルサイズ対応ですが、APS-Cフォーマットで使う事もお勧めします。どんなレンズも中央部ほど高画質な像が得られます。もちろん画角は変わりますが、SP 15-30mm G2の最も美味しい所取りの画質で使用すると最高です!少し変わった使い方ですが、試して損は無い使い方だと思います。

写真家プロフィール

藤村 大介 Daisuke Fujimura

写真家。1970年香川県生まれ。誕生日が6月1日写真の日で、まさに写真の申し子!と言われることも。日本写真芸術専門学校卒。有限会社フォトグローブ(植村正春写真事務所)でのアシスタントを経て独立。世界500都市以上を取材し、世界遺産や街並み、名所旧跡、夜景などを撮影。「Simple & Positive」がモットー。

世界の夜景撮影においては第一人者。2002年に大手のギャラリーでは日本初となる世界の夜景のみでの個展を開催し夜景ブームを引き起こす。2018年8月には世界最大級となる夜景の個展を香川県坂出美術館にて開催し、大きな話題を生んだ。作品は欧米でも展示され、評価が高い。作品創作に力を注ぐ傍ら日本の写真文化発展のために、全国で講演やセミナー、写真教室などを通じ、撮影技法や処理だけではなくマナーや考え方、権利など、写真に関する心構えなども教えている。著書に「世界のまがとき、カメラ旅/日本写真企画」。
(公社)日本写真家協会、日本旅行写真家協会 正会員
日本大学藝術学部写真学科講師
玉川学園講師
ニコンカレッジ、アカデミーX講師
ウィステリアフォトクラブ主宰

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高画質の頂きを求めて。生まれ変わる渾身のフラッグシップ。