写真家 桃井 一至が超望遠100-400mmで撮る動物園

いつも気持ちを癒やしてくれる動物たち。その魅力にひかれると誰もが「画面いっぱい大きく撮りたい」と思うはず。そんなときに役立つのが、望遠レンズだ。その大きく撮れる度合いを表す数値が、レンズ名称の最初に表示される焦点距離。この数値が大きなほど、動物を大きく撮れる。

普及クラスの一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)であれば、同時購入の標準ズームレンズは18~55ミリ程度。高級一眼レフでは、24~100ミリ程度が一般的。

タムロンにはそれらの焦点距離を大きく越える望遠レンズが、多数用意されているが、特に大きく撮れる製品は超望遠レンズとして区分けされて、SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD(G2)と100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USDの2本が揃っている。

そのうち、昨秋発売された100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD(Model A035)を持って、よこはま動物園ズーラシアに行ってきた。ズーラシアには約90種類の動物が、国内最大級の敷地でのびのびと暮らしているだけに、園内がとにかく広い。展示にも工夫が施され、どう猛な動物でも高いところから見下ろせるなど、望遠レンズがあれば、比較的に誰でも写真の撮りやすい環境が整っているのがうれしい。

園内に入り100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USDを取り付けたカメラで、ファインダーを覗けば、いつもより大きく見える動物たちにびっくりするはず。続けて標準ズームレンズで見えなかった生き生きした表情にも驚く。撮った写真を拡大すると毛並みやまつげもしっかり見えて、その緻密な描写にも、頬は緩みっぱなし。オートフォーカスもスッとピントがあって、動物が背景から浮き立つようにぼけて撮れる。これこそが望遠レンズの醍醐味だ。

一枚目の写真( 焦点距離:400mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:800)

15メートル以上、遠くにいる白くまも目前にいるように大きく撮れる。水で湿った毛並みなど、目で見るよりも細かく見える。

ぐんぐん大きく撮れる超望遠レンズだが、気をつけたいのが手ぶれ。
手ぶれとは、シャッターボタンを押した瞬間にカメラが揺れて、写真が鮮明に写らないことで、望遠やアップのときほど目立ちやすい。

100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USDには、手ぶれ防止機能が内蔵されているので、一般的なレンズよりも手ぶれは起こりにくい構造だが、曇りや日陰で休んでいる動物を狙うときは、特に注意してやさしくシャッターボタンを押すように心がけたい。

焦点距離:400mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:400

獲物を狙うような目つきのチーター。地面や背景もボケて、アフリカの原野に立つようだ。

焦点距離:400mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:1600

美しい冠を持つオウギバト。拡大してみると頭部の毛並みがよくわかる。L版プリント程度のサイズまで、画面いっぱいに撮影できる。

焦点距離:400mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:800

遠くを見つめる姿がかわいいミーアキャット。こまめに動きシャッターのタイミングが合わせづらいので、多めに撮りたい。

焦点距離:250mm 絞り:F/6.0 シャッタースピード:1/1200秒 ISO感度:400

背丈の大きなキリンが近づけば大迫力。この日はゴキゲンだったのか、見学エリアに近寄って大サービス。長いまつげで、目がパッチリ。

焦点距離:140mm 絞り:F/4.9 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:400

日差しが眩しいのか、日陰と日なたを行ったり来たり。アップにするだけでなく、緑と影で周辺の様子も盛り込んだ。

焦点距離:400mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:200

ゆったり動くインドゾウは、初心者にもやさしく取りやすい。望遠レンズを活かして、顔周辺の特徴的な部分を切り取ってみた。

100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USDを使用してみて

終日、ズーラシアを巡ったが、とにかくレンズが扱いやすい印象が強く残った。従来、400ミリクラスといえば、手ぶれ対策や本体ボリュームから、神経を尖らせて扱わねばならなかったが、このレンズは、拍子抜けしてしまうほどにラク。またオプションの三脚座と軽量一脚を併用すれば、構図のキープも簡単で、長時間ファインダーに集中できる。

動物園を思いっきり楽しむには、描写と携帯のバランスに優れた100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USDがおすすめだ。

写真家プロフィール

桃井 一至 Kazushi Momoi

1968年、京都府生まれ。1990年に独立。
各種雑誌やカタログの撮影をはじめ、カメラ専門誌などでの執筆も多数。
またテレビ出演、webレポートなど活動ジャンルは多岐に渡り、丁寧なテクニック解説にも定評がある。ヴォーリズ建築写真展「VORIES TIME」、著書「今すぐ使えるかんたんmini オリンパス OM-D E-M10II 基本&応用 撮影ガイド」、「ソニー α7R & α7 FANBOOK」など。公益社団法人 日本写真家協会会員。

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タムロン 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD(Model A035)

その一瞬を確かに刻む。高められた機動力と、高精度AFで捉えるその時を、どこまでも美しく。超望遠ズームに新たな選択肢。