写真家 井上 六郎の手軽に携行できる超望遠100-400mmで、飛び行く飛行機を撮る

遥か高空を飛び行く飛行機を見ていると、どこに行くのだろうか、あの先にはどんな街が待っているのだろうかと想像する。窓から見える景色、エンジンの音、機内アナウンス、座席ベルト…。自分が飛行機に乗っているときのことを頭の中でめぐらせては、ひとり地上で空想の旅に出ている。

空想は抱くだけでなく、レンズの付いたカメラを持てば、具体的に表現できる。そう、写真撮影ができることとは表現手段を得ることだから。

読者の方々はすでに一眼レフカメラを持っている方が多数だろう。でも、もしまだ望遠レンズを検討しているのであれば、頭上過ぎ行く飛行機を見かける前に、このレンズを付けてみてはいかがだろうか。

今秋に登場した100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD(Model A035)は、400mmの望遠世界を得られながら、取り回しの軽さがいい。とにかく手軽に携行できて、一日中持ち歩けるから行動範囲も広がる。

飛行場やその近くに行って大きく写すのもよし、お住まいの上空を飛行機雲を曳きながら通るのを撮るのもよし。

使うには覚悟がいる大きく重いレンズではなく、気軽に持ち出せるカメラで、この冬は物思いに耽ってはいかがか。写真ならばそんな空想も残せて、伝えられる。

さぁ、皆さんもレンズを付けたカメラを持って、空の旅の始まり!

一枚目の写真( 焦点距離:400mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/800秒 ISO感度:320)

そろそろ秋の気配が迫る10月の石垣島。見上げれば、これから東シナ海を渡りアジアの都市へと向かうA330が飛行機雲を曳いていた。

焦点距離:400mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/250秒 ISO感度:200

時より雨雲の通過していった、ある9月の羽田空港。その雲達は何層にも重なり都市郊外まで広がっていた。

焦点距離:270mm 絞り:F/11 シャッタースピード:1/500秒 ISO感度:64

日の入りの1時間前。遥かシベリアを抜け、ヨーロッパはドイツ・フランクフルトへ向かう747-8型機。西陽を左舷に受けて巨体は北に飛び立っていった。

焦点距離:400mm 絞り:F/6.3 シャッタースピード:1/1000秒 ISO感度:100

地方都市間輸送に活躍するDHC-8-400型機。傾いたままの朝の陽を受け、少し夏の香りが残る宮古空港へ滑り込んできた。

焦点距離:400mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/400秒 ISO感度:100

夏らしい雲が東京湾の東、千葉の上空に沸いた。雲の壁をかすめるのは北海道・新千歳空港行きの737-800型機だった。

焦点距離:400mm 絞り:F/9 シャッタースピード:1/1250秒 ISO感度:100(APS-Cカメラ使用)

シンガポール・チャンギ国際空港からの長旅を終え、羽田空港に着陸するA350-900型機。
運河の水面に照らされた低い太陽の光りが出迎えた。

焦点距離:100mm 絞り:F/4.5 シャッタースピード:1/60秒 ISO感度:200

本州に比べ、まだまだ陽が長かった10月の石垣空港。陽が沈み、夕闇の那覇空港へ向かうDHC-8-400型機が離陸の準備をしていた。

焦点距離:400mm 絞り:F/8 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:64

羽田空港に気まぐれな雨を降らせた雨雲の隙間から覗いた西陽に照らされたのは、737-800型機。機内からは東京に落ち行く夕陽が見れただろう。

焦点距離:1200mm換算 絞り:F/16 シャッタースピード:1/640秒 ISO感度:100(APS-Cカメラ、テレコンバーター2.0×使用)

箱根の神山に落ちる陽を受け、羽田空港の滑走路に降りる737-800型機。秋を過ぎると西高東低の気圧配置が南関東に冬晴れをもたらす。

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写真家プロフィール

井上 六郎 Rokuro Inoue

1971年東京生まれ。写真家。自転車レース、ツール・ド・フランスの写真集「マイヨ・ジョーヌ」を講談社から、航空機・ボーイング747型機の写真集「747 ジャンボジェット 最後の日々」を文林堂から上梓。日本写真家協会、日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員。ただいま2018年飛行機のカレンダー「美しき航路」を㈱えい出版社から絶賛発売中!です。

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