
【.Frame】snap05 塩川 雄也×TAMRONスナップ『人生という旅の途中で』with TAMRON 35-150mm F2.8-4 (Model A043)
今年の東京の梅雨は長く、いつまでも晴れ間が見えない日々。前回の記事では渡邉さんの住む北海道は初夏を迎えていました。
新緑の間から軽やかに流れる風を受け取り、この連載も結びに向かっていきます。
ぐずついた天気の東京を離れ、グループ展のレセプションに参加するため台湾へ行くことになりました。台風の影響で飛行機の欠航も相次ぐ中、何とか飛行機に乗り込みます。
台風が過ぎ去った後の台湾は常夏。一足先に夏を頂きました。
一枚目の写真( 焦点距離:35mm 絞り:F/11 SS:1/1000秒 ISO感度:400)
旅に出る時の機材選択には毎回頭を抱える。
それ以上に行く先で出会える瞬間を想像しながら、楽しんでレンズを選ぶのも旅の醍醐味だと思っている。
多くの機材を持っていくと重量が増え、移動が容易では無くなってしまう。様々な状況に合わせてレンズを交換したい時もあるけれど、写りに妥協はしたくない。
今回一緒に旅をしてくれたレンズはそんな状況にも応えてくれるTAMRON 35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD (Model A043)。スナップに多用する標準域から望遠150mmまで1本でカバーするポートレートズームという位置付けのレンズ。
旅をしながら写真を撮っている時に、その後に起こる瞬間がパッと浮かんでくることがある。
画角や被写体との距離感の理想を叶えるためには、レンズ交換が必要な時もあるでしょう。しかし、刻々と迫ってくるその瞬間を収めるには直感的な判断と操作が必要になる。
高台から見下ろした高雄の景色を広角で撮りながらも、望遠でクローズアップしたスナップを撮ったりと、幅広い視野を持って撮影をすることができる。
焦点距離:85mm 絞り:F/8 SS:1/400秒 ISO感度:100
焦点距離:150mm 絞り:F/4 SS:1/3200秒 ISO感度:400
ズームレンズは画角を容易に変えることができる反面、被写体との距離がなおざりにならないよう、まずは画角を決めて固定し、距離感を意識して使用する。
そうやって目を養いながら使うことで、よりレンズの特長を活かすことができるようになってくる。
焦点距離:105mm 絞り:F/8 SS:1/500秒 ISO感度:100
焦点距離:150mm 絞り:F/4 SS:1/320秒 ISO感度:400
焦点距離:150mm 絞り:F/4 SS:1/8000秒 ISO:400
旅を終えて帰路につく。
追憶に浸りながらも新しい出会いを期待して、幾つもの光を見送る。
また一つ、大切な思い出と共にパートナーとも言えるレンズが増えた。
焦点距離:135mm 絞り:F/4 SS:1/40秒 ISO感度:800
嬉しい知らせを受けて、日本に帰ってから友人たちの元へ向かった。
まだ生まれたばかりのその命は、すっと僕の心を安らかな気持ちにしてくれる。
父親の眼差しに重ねて、そっとシャッターを切った。
焦点距離:85mm 絞り:F/3.5 SS:1/250秒 ISO感度:400
ふと、どうしてこんなにも写真を好きになったんだろうと思いを巡らせる。
写真を始めたのはいつですか?とよく聞かれるが、物心ついた時から写真の存在は身近にあった。私の家族が写真を残してくれていたからだ。
初めて自分のカメラを買ってもらったのは中学生の修学旅行で、自分の写真はほとんど無く、友達の写真ばかり撮っていた。
自分の撮った写真で誰かが喜んでくれる。
あの頃から変わらず、こんなに幸せな事はないのかもしれない。
誰かが喜ぶ姿を思い浮かべながら、カメラを持ち、そしてレンズを選んでいく。
大切に、一枚、一枚、人生を残していく。
小さな幸せを繋げていく事で、この優しい気持ちが広がってくれたらと願いを込めて。
写真家プロフィール

塩川 雄也 Yuya Shiokawa
1988年、福岡県北九州市生まれ。大学を卒業後、山口県の病院で看護師として勤務していたが、旅への強い憧れから国内外を飛び回り写真を撮り始める。写真家を志して上京した後、写真家青山裕企氏に師事する。 2017年写真家として独立し、東京で初の個展を開催。 2018年にはYUKAIHANDS PUBLISHINGより写真集『OASIS』を刊行し、東京・山口宇部で展覧会を行う。現在は、ポートレート撮影を中心に活動しながら、ライフワークとして自らの旅路を写真に収めている。
【写真家サイト】
- ホームページ:https://www.yuyashiokawa.com/
- Instagram:https://www.instagram.com/yuyashiokawa/