【.Frame sp04】ハービー・山口×TAMRONスナップポートレート「日常の中に滑り込むレンズ」with 28-75mm F/2.8(Model A036)

写真家にはそれぞれに異なったテーマと撮影スタイルがありますから、機材の選択も様々です。私の場合は日常の中のふとした光景や、出会った人物、事柄をいかに魅力的な写真にするかを常に試みています。そうやって撮影された写真が、人々の心に何らかのポジティブなものを感じてもらえたらと願っています。

ここ数ヶ月TAMRON 28-75mm F/2.8 Di II RXD(Model A036)をミラーレスカメラに装着してかなりの被写体に向かい合いましたが、このレンズの軽さや使い易いレンジを痛感しています。

焦点距離:53mm 絞り:F/4 SS:1/800秒 ISO:500

6月から8月まで長野県の高原美術館で写真展やワークショップを開くのですが、打ち合わせに行った時に撮らせて頂いた現地の女の子です。彼女の人懐っこい性格は写真家にとって凄くありがたいことです。

焦点距離:28mm 絞り:F/6.3 SS:1/125秒 ISO:640

頻繁に行くカフェに新しい男性スタッフが加わりました。髪を後ろで結んだイケメンです。早速話しかけてシルエット調に撮影させて頂きました。キビキビとした彼の動きが見ていて清々しいしい好青年でした。

焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 SS:1/80秒 ISO:160

目黒川の桜の季節には海外からの方も多くなりました。名物「いちごスパークリングワイン」のグラスを手にハッピーなひと時を過ごしています。彼女たちにカメラを向けた一枚目がこの写真ですが、この後彼女たちは喜んで一列に並んでくれました。数枚シャッターを切るととても満足そうに去って行きました。撮った方も撮られた方も幸せになれるのは最高です。

焦点距離:35mm 絞り:F/4 SS:1/60秒 ISO:250

原宿の美容室に行きました。偶然に知り合いの女優さんに遭遇し、カーテン越しにシルエットを取らせて頂きました。ちょっとした小道具を使うと日常なのに非日常が演出できるので、こうした写真家の遊びに付き合ってくださる友人は貴重な存在です。

焦点距離:75mm 絞り:F/8 SS:1/160秒 ISO:640

ある日、目黒川を覗き込むと自転車が投げ込まれていました。これも日常の中に見つけた非日常の光景です。光の当たり方の違う時間帯にも撮影したくて、2時間後に再び川を見下ろしたら、すでに自転車は撤去されていました。写真はその時に撮らなくてはなりません。

焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 SS:1/60秒 ISO:800

日が暮れてから代官山に行こうと歩いていると、よく行く中華屋さんの灯りが妙に魅力的に見えました。いつも見逃していたのかとても美しく、そしてこの佇まいは冷たいビールと餃子セットに誘います。

焦点距離:38mm 絞り:F/8 SS:1/125秒 ISO:100

定期的に撮影している熊本県の酒蔵「花の香」に行きました。その日は蔵開き新しいお酒を全国からのお客様に料理と共に試飲してもらいます。地元の食材を使い、この日はパリでレストランを開いている手島シェフが腕を振るって下さいました。

焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 SS:1/80秒 ISO:320

手島シェフのディレクションの元、若いスタッフが細かい作業を惜しまず、根気よく料理を完成させます。お酒と味も見た目も最高なマリアージュを求めて彼らは決して妥協しません。こうした素材や手先のアップの写真にもこのレンズは有効でした。

焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 SS:1/15秒 ISO:2000

全国から「花の香」を愛する人々が熊本までやって来て下さいます。美味しいものへのこだわりを追求する彼らの情熱は、門外漢の私にも響いて来ます。男前のお客さんのポートレイトを撮影させて頂きました。望遠よりでアップに迫りました。

焦点距離:38mm 絞り:F/11 SS:1/4000秒 ISO:125

翌日東京に戻る前のひと時で「花の香」周辺を散策しました。穏やかな陽が降る午後、畑を耕す夫婦に出会いました。少し不自由になったという腰をかばいながらも野菜を作り続ける二人の姿が、午後の光に浮き上がり神々しくも美しくもありました。

TAMRON MAGで新作を発表するのは最終回となりますが、ここ数ヶ月このレンズを持ち歩いたことで、改めてコンパクトかつ高性能なズームレンズの使用心地の良さを実感しました。Vol.1からこのVol.4もで見返すと、このレンズは私の日常の中にそっと滑り込み、目の前の出来事をそっとすくい取ってくれました。どの場面にも的確に対応してくれる名レンズとして、多くの写真愛好家に支持されることでしょう。

写真家プロフィール

ハービー・山口 Herbie Yamaguchi

写真家 1950年東京出身。大学卒業後ロンドンに渡り10年を過ごす。その間劇団の役者を経て写真家になる。アーティストから市井の人々を被写体とし、常に希望あふれるスナップポートレイト撮影をしている。瑞々しい作風を好むファンは多く、最も親しまれている写真家の一人である。写真の他、エッセイ執筆、ラジオDなど活動は多岐にわたる。2011年度日本写真協会賞作家賞受賞。

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28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)

ミラーレスに新たな風を。これまでにない美しさとやわらかなボケ味。目指したのは高画質と小型軽量の両立。世界を鮮やかに写す、フルサイズミラーレス対応、F/2.8大口径標準ズームレンズ。