
【.Frame sp02】ハービー・山口×TAMRONスナップポートレート「日々の光」with 28-75mm F2.8(Model A036)
写真家はそれぞれ自分が表現したいテーマを心の底に持っているものです。私の場合は「生きる希望を撮りたい」という願いが、写真部に入部した中学2年生の頃からおぼろげにありました。それは幼少期に腰椎カリエスという病気を背負い、希望も喜びも無い孤独な10数年を過ごした経験から得たテーマでした。「生きる希望」というと大袈裟に、または表面的に聞こえてしまいがちですが、「自分や人々にポジティブな刺激を与えてくれる写真」という言葉に書き換えても良いと思います。日常にはこの「自分たちをポジティブにしてくれる」素敵な光景が目まぐるしく生まれ、次の瞬間には消え去っていきます。この一瞬の光景を消え去る前に撮り残しておきたい、それが写真家である私の正直な願いです。
何気ないひととき
焦点距離:37mm 絞り:F/2.8 SS:1/60秒 ISO:1000
中目黒にある美容室「SAKURA」での一枚。「いかなる時でもこの人は写真を撮るんだな」という印象がお店のスタッフには出来上っていると思います。
焦点距離:33mm 絞り:F/3.2 SS:1/60秒 ISO:200
美容室のアイドルの犬です。この犬の母も私の作品に出演して頂いてます。表の風景との組み合わせが面白いと思いました。
焦点距離:31mm 絞り:F/3.2 SS:1/60秒 ISO:200
原宿の美容室「boy tokyo」の全体を見下ろしたカットです。いつも目の前の鏡の中の自分しか見ないのが通常ですが、俯瞰すると新鮮でした。
焦点距離:45mm 絞り:F/2.8 SS:1/60秒 ISO:1250
恵比寿にあるSIKIという可愛いお店で服を何着か買いました。何度か行くうちにお店のスタッフやお客さんと親しくなり楽しい時間が過ぎていきます。カメラがあってこその交友関係の広がりです。
焦点距離:67mm 絞り:F/2.8 SS:1/60秒 ISO:1600
熊本県の山鹿で居酒屋のスタッフを撮りました。この街には古い劇場「八千代座」があるので有名です。美味しいお魚料理と日本酒が最高なお店でした。
焦点距離:33mm 絞り:F/2.8 SS:1/8秒 ISO:400
現在大正大学の構内にあるギャラリーKUUで「共生」をテーマにした写真展を開催しています。このカットは写真展のオープニングの日に撮影しました。学生さんを画面の中央に捉えてギャラリーの雰囲気を写しました。
焦点距離:75mm 絞り:F/9 SS:1/400秒 ISO:200
高層ビルから周囲の風景を見ると気が晴れます。良い見晴らしというのは人を幸せにする一要素だなと実感します。画面手前に観葉植物を取り入れたのが作画のポイントです。
焦点距離:28mm 絞り:F/3.2 SS:1/60秒 ISO:100
東京乃木坂のふと裏道に入ると知り合いのデザイナーのスタジオがあります。表通りとは違った空気感がいつも素敵だと思っていました。
焦点距離:40mm 絞り:F/8 SS:1/125秒 ISO:100
デザイナーのスタジオは4階ですが、階段ごとに風景や光線の入り方が違います。午前の光が爽やかで、強い太陽光が綺麗でした。
焦点距離:43mm 絞り:F/4 SS:1/60秒 ISO:100
その階段の白い壁に自分の影が落ちているのを見つけました。葉を透過した光が面白い形を作っていて思わずカメラを向けました。
今回使用したTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)のように「取り回しの良い機材をいかに日常の中に持ち込めるか。これは写真家にとっては大きな問題で、作品の数に関わって来ます。小型、軽い、それでいて高性能という要素がとても大事だと改めて思います。これは!と思った時にすかさずシャッターを切ることが大切だと実感しました。
写真家プロフィール

ハービー・山口 Herbie Yamaguchi
写真家 1950年東京出身。大学卒業後ロンドンに渡り10年を過ごす。その間劇団の役者を経て写真家になる。アーティストから市井の人々を被写体とし、常に希望あふれるスナップポートレイト撮影をしている。瑞々しい作風を好むファンは多く、最も親しまれている写真家の一人である。写真の他、エッセイ執筆、ラジオDなど活動は多岐にわたる。2011年度日本写真協会賞作家賞受賞。
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28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)
ミラーレスに新たな風を。これまでにない美しさとやわらかなボケ味。目指したのは高画質と小型軽量の両立。世界を鮮やかに写す、フルサイズミラーレス対応、F/2.8大口径標準ズームレンズ。