
【.Frame sp01】ハービー・山口×TAMRONスナップポートレート「その一瞬を写真に」with 28-75mm F2.8(Model A036)
私たちが日々出会う人々の表情や目にする様々な光景は、次の瞬間には消えて去ってしまいます。そう考えると、その一瞬はとても貴重なものなのです。その一瞬一瞬を何らかのメッセージとして写真に残せたら、それは意義あることだろうと思います。記憶に残したいものにカメラを向ける。それは時に簡単なことだったり、また時に難しい状況もありますが、こうしてここ数週間の写真を見ると、記録の素晴らしさを改めて感じるのです。
日常の中の人々
焦点距離:37mm 絞り:F/5.6 SS:1/80秒 ISO:200
近所の書店で犬を連れた可愛い男の子を見かけました。彼と母親に声をかけて撮らせて頂きました。
焦点距離:44mm 絞り:F/2.8 SS:1/13秒 ISO:1600
東京青山のジャズバーへ行きました。彼はボーカリストなのですが、存在感が素晴らしく、何度もシャッターを切らせて頂きました。
焦点距離:28mm 絞り:F/4.5 SS:1/80秒 ISO:400
富山からの帰りに見かけた二人の高校生たちです。二人ともドクターマーティンズという靴を履いていて、そのこだわりに共感し声をかけさせて頂きました。
焦点距離:47mm 絞り:F/2.8 SS:1/50秒 ISO:100
駐車場の警備をしている方にも声をかけました。見逃しがちな日常の中の自然な表情が撮れました。
焦点距離:44mm 絞り:F/2.8 SS:1/8秒 ISO:1250
レストランで私たちのテーブルにお料理を運んで来て下さったイケメンスタッフです。役者志望の青年かと思うほど素敵な方でした。
焦点距離:74mm 絞り:F/5.6 SS:1/125秒 ISO:800
男性は、私が客員教授を務めている九州産業大学の写真学科の学生です。窓からの光と黒いボードを使うことで、スタジオでライティングしたようなポートレイトが撮影出来ました。
シルエットとライティング
焦点距離:56mm 絞り:F/5.6 SS:1/125秒 ISO:400
ミュゼふくおかカメラ館で撮影した写真家鳥飼祥江さんのシルエット
焦点距離:34mm 絞り:F/2.8 SS:1/50秒 ISO:1600
レストランのオーナーシェフがお店のライトを受けて私を見送って下さいました。人物に当たる光の状態によって、かなり違う印象のポートレイトを撮ることが出来ます。やはり写真は光との対話だということを改めて思います。
熊本の風景
焦点距離:40mm 絞り:F/3.5 SS:1/60秒 ISO:1600
熊本県和水町にある酒蔵「花の香」に撮影に行った時の写真です。NHK大河ドラマ「いだてん」の主人公金栗四三さんの出身地です。ふと入った居酒屋さんで見かけた男性二人、程良くお酒が入りとてもフレンドリーな方々でした。
焦点距離:28mm 絞り:F/9 SS:1/160秒 ISO:200
この地方の習慣でお正月のお飾りを燃やし無病息災を願う「どんどや」を見かけました。竹が高温によって破裂する時の大きな音で、悪が逃げていくというストーリーがあります。
日常の素敵な光景や表情を切り取り、一枚のフレームに収めることで、その写真が発するポジティブな力を多くの人々と共有出来たらこんなに素敵なことはありません。私なりの写真論ですが、フレームを横位置にすると、その場の周りの状況がより写り、縦位置にすると被写体の本質にもっと迫ることが出来ると思っています。そしてこの一連の写真をみると、日常に持ち込んでも取り回しの良いコンパクトで高性能なレンズが、力強い見方になってくれました。今後とも日常の中にある素敵な光景を撮り逃さない様に撮影を続けたいと思っています。
写真家プロフィール

ハービー・山口 Herbie Yamaguchi
写真家 1950年東京出身。大学卒業後ロンドンに渡り10年を過ごす。その間劇団の役者を経て写真家になる。アーティストから市井の人々を被写体とし、常に希望あふれるスナップポートレイト撮影をしている。瑞々しい作風を好むファンは多く、最も親しまれている写真家の一人である。写真の他、エッセイ執筆、ラジオDなど活動は多岐にわたる。2011年度日本写真協会賞作家賞受賞。
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28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)
ミラーレスに新たな風を。これまでにない美しさとやわらかなボケ味。目指したのは高画質と小型軽量の両立。世界を鮮やかに写す、フルサイズミラーレス対応、F/2.8大口径標準ズームレンズ。