
移りゆく季節を残すということ。タムロン 70-180mm F2.8 (Model A056) と追いかける冬の日々
はじめまして。フォトグラファーの藍嶋しおです。毎日の中で発見した「ときめき」を写真として残し、日常に潜む美しい色や景色を発信しています。
flatt連載の第六弾となる今回は「タムロンレンズと追いかける冬の日々」をテーマに、初冬からだんだんと深まっていく冬の表情を追っていきます。
私が写真を撮る目的のひとつに「ときめきをそのまま残したい」ということがあります。
そんな私のときめきを今回一緒に見つめてくれるレンズはTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXD(Model A056)。小型軽量でありながら、高い描写力と幅広い表現がこの一本で楽しめるズームレンズです。
私自身ズームレンズは重く扱いづらいイメージがあったのですが、このレンズは重さも気にならなく、体格の小さめな私でも身軽にいろいろな画角に挑戦できてとても楽しいです。
冬の訪れ
焦点距離:165mm 絞り:F/2.8 SS:1/200秒 ISO感度:200
冬が始まってまだ根雪になっていない頃の空模様は、雪が降ったり降らなかったり、晴れたり曇ったりと大忙しです。そんな中、太陽の光に照らされた雪がキラキラと輝きながら舞っていました。
焦点距離:180mm 絞り:F/2.8 SS:1/250秒 ISO感度:100
その白い宝石たちが見られたのは太陽が出ていたほんの少しの間だったのですが、その一瞬を逃すことなく、肉眼で見たままの輝きを写し出してくれました。
美しい玉ボケと柔らかい空気感で、見たそのままに写すことができ、私にとって特別な一枚になりました。
焦点距離:70mm 絞り:F/2.8 SS:1/500秒 ISO感度:100
焦点距離:180mm 絞り:F/3.2 SS:1/200秒 ISO感度:2500
指先が冷える冬。かじかむ足元も冬の景色のひとつです。
いつもなら近づくことのない足元に、肌の質感まで感じられるような距離まで近づいてみました。手を伸ばせば触れることができそうな気がして、なんだかドキドキしてしまいます。
焦点距離:180mm 絞り:F/2.8 SS:1/2000秒 ISO感度:100
いつもは遠くから見ている景色も、近づいてみることでまた違った空気感を纏うようになります。その違いを楽しむことができるのもこのレンズの魅力のひとつですね。
冬はつとめて
焦点距離:173mm 絞り:F/2.8 SS:1/250秒 ISO感度:100
みなさんは冬のどの時間帯がすきですか?
清少納言が『枕草子』で「冬はつとめて」と著したように、私も冬は早朝の景色が本当に美しいなと思います。
冷たく澄んだ空気や白い吐息、霜が降りた植物たちなどなど、眠い目を開けば、周りにはたくさんの美しい景色があります。
焦点距離:180mm 絞り:F/2.8 SS:1/200秒 ISO感度:1600
なんとかして布団を出て、朝ごはんの時間。
持ち上げた米粒の連なる姿がとてもかわいくて思わず撮ってしまいました。絞りを開放にして周りをふわっとぼかすことで、食卓の温かさと暖房の効いた暖かい部屋の中の空気感を表現してみました。
焦点距離:172mm 絞り:F/2.8 SS:1/400秒 ISO感度:100
焦点距離:109mm 絞り:F/2.8 SS:1/100秒 ISO感度:6400
朝ごはんが終わって玄関の前を通ると配達員の方がちょうど来て、新聞を届けてくれました。なんだかその光景が好きで、急いでカメラを取り出しました。
冬の朝はいつもたくさんの美しい景色を見せてくれるので、あまり時間に余裕がなくてもカメラを構えてしまいます。そんなバタバタとした時間でさえも楽しいと思えてくるので不思議ですね。
静かに降り積もる冬
焦点距離:128mm 絞り:F/22 SS:1/125秒 ISO感度:6400
ある日の朝、部屋の窓から外を覗いてみると、目の前には白銀の世界が広がっていました。
焦点距離:180mm 絞り:F/2.8 SS:1/200秒 ISO感度:250
部屋の窓からこの木までは少し距離があるのですが、その距離を感じさせない繊細な描写です。
私の暮らす北海道では冬が本格的に深まると、落雪などの危険があってどうしても近くまで踏み込めない場所がたくさんあります。
そんなときでもズームレンズがあれば遠くから安全に、かつ自分の撮りたい写真を実現することができてとてもありがたいです。
焦点距離:180mm 絞り:F/2.8 SS:1/200秒 ISO感度:500
焦点距離:180mm 絞り:F/2.8 SS:1/200秒 ISO感度:640
気持ちのいい空気で目を覚まそうとベランダに出ると、ベランダにあるもの全てが薄い雪のベールをかぶっていました。
最短撮影距離が短く、近くにあるものを写すのも得意なこのレンズは、このようなマクロレンズのような世界も見せてくれます。これだけ近づいてみると、雪の粒ひとつひとつの軽やかさや柔らかさまで感じられてとても楽しいです。
焦点距離:180mm 絞り:F/2.8 SS:1/200秒 ISO感度:400
冬のおうち時間
おうち時間がより楽しくなる冬。できることなら、ずっと家の中にいたい。冬になると私がいつも思うことです。
外だけでなくお家の中で見つけたときめきたちも、たくさん残してあげましょう。
焦点距離:180mm 絞り:F/2.8 SS:1/500秒 ISO感度:100
焦点距離:130mm 絞り:F/ 2.8 SS:1/640秒 ISO感度:100
カーテンが揺れながら重なり合って影の色が少しずつ変化していくのを眺めたり、差し込む光に手をかざしてみたり。
お気に入りの映画を見ては、その中のワンシーンを真似て写真を撮ったりする「ゆるい時間」が私にとって一番大切な時間でもあります。
おうち時間も、お気に入りのレンズと過ごせば充実感と楽しさが倍増すること間違いなしですね。
焦点距離:75mm 絞り:F/2.8 SS:1/4000秒 ISO感度:100
私は柔らかく光に包まれるような写真が好きで、いつも直接的な光ではなく、光の「気配」が感じられる写真を撮るように意識しています。
光がどの方向から差し込んでいるのか、ということが想像できてしまうこのレンズの繊細な光の描写もとても魅力的だなと感じました。
移ろう季節を追いかけよう
私がこの冬をTAMRON 70-180mm F/2.8 Di lll VXD (Model A056)と一緒に過ごしてきて思ったことは、違う季節の表情もまたこの子と見てみたい、ということ。
肉眼で見たままに写し出してくれる描写力はもちろん、肉眼では見ることのできない景色も見せてくれるのです。
この冬のいろいろな表情を私に見せてくれた、とても頼もしい大切な存在になりました。
このレンズを通して見る「なんでもない」日常の風景は、いつしか「なんでもない」ものではなくなっていました。特別で愛おしい、生活に潜む美しい記憶です。
みなさんも四季が持つそれぞれの表情をタムロンレンズと一緒に見つめてみてはいかがでしょうか。
写真家プロフィール

Photoli
Photoliは 写真の楽しさを広めていくために運営されているWebメディアです。
写真の撮り方やフォトスポット、写真の価値観、ライフスタイルの情報をSNS中心に発信し、写真とデザインでさまざまな価値ある事業を応援しています。
タムロンとの連載「flatt」では、「ライフスタイルとしての写真とタムロンレンズ」をコンセプトにコラムを書いています。
【写真家サイト】
- WEB:https://photoli.jp/
- Twitter:https://twitter.com/photoli_info
- Instagram:https://www.instagram.com/photoli_info/

藍嶋 しお Shio Aijima
2003年生まれ、北海道在住のフォトグラファー。次々と移り変わってゆく四季それぞれが持つ表情や日常生活の中で見つけた「キュン」を撮影。”どこか懐かしい新しさ”を求め、伝統色や季語と現代の写真を組み合わせた作品なども制作し、SNSに投稿している。
Twitter:https://twitter.com/mizutamahowait1
Instagram:https://www.instagram.com/5__shioo/
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タムロン 70-180mm F2.8 Di III VXD (Model A056)
ミラーレス専用設計のソニーEマウント用大口径望遠ズームレンズ。その最大の特長は、開放F/2.8通しの高性能レンズでありながら、フィルター径φ67mm、最大径φ81mm、長さ149mm(70mm時)、重量810gという世界最小・最軽量ボディです。