
朝起きてから夜寝るまでをなぞる。タムロン 28-75mm F2.8 (Model A036)と過ごす一日
初めまして。フォトグラファー / BRIGHTLOGG,INCという会社で取締役をしている古性のちです。
世界中を旅しながら「写真と言葉」を組み合わせた作品を作っています。
「朝から夜までいつもの何気ない日常を撮ってみる」をテーマに、なるべく特別な空気感を纏わないようにふらりと散歩してきました。
わたしが初めてカメラを手にしたのは確か8年くらい前のこと。当時カメラは決して、自分の日常の中のレギュラーメンバーではなかったので、いつも部屋の隅っこで埃を被っていました。
それが今では呼吸をするように日々持ち歩くようになったのは、カメラが世界の見え方を変えてくれることに気づいたからです。
ファインダーを覗くと、街を見る目線が変わり、以前はただ素通りするだけだった木漏れ日や花が、宝物のようにキラキラして見えるのです。
「タムロン 28-75mm F 2.8」と朝から夜まで一緒に駆け抜けてみる
今回、何気ない一日を大口径の標準ズームレンズ TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036)と過ごしてみました。
くっきりと高い解像力と優しいボケ味の両方を兼ね揃えている、このレンズ。重さは550gと、F2.8のレンズにしては軽く、これ1本で28mmの少し広い景色から、75mmの手のひらの中の世界まで自由に覗くことができます。ただでさえいつもノートパソコンが入っているリュックは重いので、1本でいろいろな景色を撮れるのはありがたいです。
8:30 | 世界に少し遅い「おはよう」を
焦点距離:47mm 絞り:F/3.5 SS:1/320秒 ISO感度:500
いつものようにのんびりと朝、目を覚ます。机の上の花に目をやると、カーテンの隙間から差し込んだ光に照らされていました。
ピントの合った被写体のコスモスはくっきりと解像度が高いけれど、周りのボケ感は優しい。朝の柔らかい空気がそのまま切り取られたように映り込みます。
焦点距離:39mm 絞り:F/2.8 SS:1/2000秒 ISO感度:800
たくさん食べてしまうと眠くなるから、朝は極力軽く。自分でいれるお茶か、コンビニのカフェラテか。今朝は温かいお茶をすすります。
10:40 | 今日の職場兼、近くのカフェへ移動
焦点距離:55mm 絞り:F/3.2 SS:1/1250秒 ISO感度:500
ノマドワーカーなので、仕事場所はいつも気ままに変えます。今日は初めましてのカフェへ。
電車の一番前の席から車内を切り取ってみました。くっきりとピントが合っている部分から、触れたら柔らかそうな、なめらかなボケ感へと変化していく。シャッターを切るたびに気持ちいいです。
焦点距離:42mm 絞り:F/2.8 SS:1/8000秒 ISO感度:500
この駅を利用するたびにいつも目が合ってしまう駅名の標識を今日はパシャリ。何故だか佇まいが好きで、つい気になる子。澄んだ青空が心地いいです。
11:20 | グーグーと音を立てるお腹と山盛りの仕事の間で
焦点距離:37mm 絞り:F/4.0 SS:1/25秒 ISO感度:500
カフェに到着したらパソコンを開く。壁にかかったドライフラワーたちの影が淡く壁に落ちていたのが美しく見えてシャッターを切る。紫陽花の花の質感を表現したかったので、解像度を高めにしました。
焦点距離:30mm 絞り:F/9 SS:1/5秒 ISO感度:500
焦点距離:37mm 絞り:F/2.8 SS:1/800秒 ISO感度:500
仕事の合間に一息ついて、同じカフェでランチ。最近のマイブームは野菜もご飯もお肉も1つになったワンプレートのごはん。好きなものが全部乗っていて、まるで大人のお子様ランチのようだなあ、なんて思います。
焦点距離:75mm 絞り:F/5.6 SS:1/13秒 ISO感度:800
ごはんや店内、壁の花など、さまざまな画角で切り取りたいカフェでの撮影では、28mmから75mmの間を1本で自由に行き来できるレンズは非常に重宝します。
焦点距離:75mm 絞り:F/3.5 SS:1/8000秒 ISO感度:500
カフェを出て、気分転換にゆるり近所を散歩してみると、ひょっこりと顔を出す昼顔と遭遇。ちょうど花の向こう側にある太陽を透かして柔らかく撮りたかったので、フレアが出ないように注意しながら逆光で切り取ってみました。
はかなく透ける花と、空のブルーと葉の緑の上品なコントラストが美しいです。
焦点距離:28mm 絞り:F/11 SS:1/800秒 ISO感度:500
歩道橋から見下ろす日常の景色。コントラストをより捉えるために、F値を11まで絞ってみました。さきほどの昼顔とは打って変わって、昼間の日差しに似合う、非常にシャープな描写に早変わり。
ランチを終えたのか、心なしかやや軽いみんなの足取りも、高速・高精度と静粛性を両立するステッピングモーターユニット「RXD」(Rapid eXtra-silent stepping Drive)搭載のAFでピタリと捉えることができました。
15:30 | エッセイを書きに景色の良い場所でノートを広げる
焦点距離:49mm 絞り:F/7.1 SS:1/800秒 ISO感度:500
エッセイを書く時は、インスピレーションが湧きやすい自然の中へ行くことが多いです。この日も芝生に足を放り出し、ノートを広げて風の音に耳を傾けながら、真上に広がる好みの形の雲に向けてシャッターを切りました。
いつも空を撮るとのっぺりしがちなのだけれど、このレンズはどうだろう。
雲の模様や空の色を、包み込むように捉えてくれ、秋の空気をたっぷりと含んだ、どこか切なげな青。普段なかなか出せない青をちょうど良い感じで表現してくれました。
焦点距離:36mm 絞り:F/5.6 SS:1/8000秒 ISO感度:500
焦点距離:28mm 絞り:F/4.0 SS:1/160秒 ISO感度:500
お散歩の途中で立ち寄った店で見つけたのは、家にもあるお気に入りのインテリア。望遠側も0.39mまで寄れるので、さながらマクロレンズ並みの撮影をすることができます。
17:20 | オレンジに染まっていく街中を歩く
焦点距離:51mm 絞り:F/3.5 SS:1/6400秒 ISO感度:500
太陽が沈み出す頃、ノートを閉じて帰り支度を始める。ゆっくり街がオレンジ色に染められていくこの短い数分が、一日の中で一番心惹かれる時間です。
焦点距離:57mm 絞り:F/7.1 SS:1/5000秒 ISO感度:500
18:10 | 空の色が変わっていく時間を待つ
焦点距離:28mm 絞り:F/7.1 SS:1/500秒 ISO感度 500
普段Twitterにて写真と言葉の作品づくりをしているので、その素材を撮るために夕暮れを待ちます。
水色からオレンジ色へ、オレンジ色からピンク色へ。ゆっくりゆっくり、夜へと向かっていくこの時間がたまりません。
ピンクに焼けていく景色を、普段風景を切り取るときに汎用性の高い28mmの焦点距離で撮ってみました。遠くにぽつりと立ち尽くしている街頭の、細部まで写された解像度がすごいです。
焦点距離:28mm 絞り:F/7.1 SS:1/500秒 ISO感度:500
月が顔を出す頃には、あたりはすっかり肌寒くなっていて。ああ、また季節が移り変わっていくんだなあと、肌で感じます。
20:30 | おやすみ世界。またあした
焦点距離:75mm 絞り:F/3.2 SS:1/200秒 ISO感度:800
太陽が完全に沈み、お腹も空いてくる時間。来た道を戻るついでに、いつも通り慣れた歩道橋から、見慣れた世界にシャッターを切る。こうしてファインダー越しにのぞくと、何だか映画のワンシーンのようです。
焦点距離:28mm 絞り:F/2.8 SS:1/13秒 ISO感度:800
ふと歩道橋の下を見ると、行き交う車や街の光がまるで万華鏡のように見えました。暗い中でも、十分に写り、レンズ1本で昼も夜もどちらの撮影もOKなのは、非常にありがたいです。
最後に一枚だけ世界にシャッターを切り、おやすみを告げた。
日々が特別であることを改めて教えてくれるのは、いつだって愛するレンズだ
焦点距離:75mm 絞り:F/9 SS:1/1250秒 ISO感度:600
今回タムロンのレンズと日々を切り取ってみて、どこか特別な場所に行かずとも、こんなにもたくさん感性を開いてくれるものが日常に溢れているのか、と改めて驚きました。
たった1本でくるくる変わる街の表情を残すことができたのは、28-75mmという使いやすい標準ズームレンズならでは。
何よりも気に入ったのは、大好きな青を立体的に捉えてくれるところ。わたしにとって青は特別な色で、空の青をあんなにも「ちょうどよく」、そして解像度を高く捉えてくれたのには、とてもテンションが上がりました。
なんでもない日々が本当は特別なものであることを改めて教えてくれるのは、いつだって愛するレンズ。このTAMRON 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) にしか出せない、“ちょうど良い距離感”と“抜群の再現性”、そして“とろけるような柔らかなボケ感”をぜひ味わってみてほしいです。
またこの子と、なんでもない日々を歩きたい。
写真家プロフィール

Photoli
Photoliは 写真の楽しさを広めていくために運営されているWebメディアです。
写真の撮り方やフォトスポット、写真の価値観、ライフスタイルの情報をSNS中心に発信し、写真とデザインでさまざまな価値ある事業を応援しています。
タムロンとの連載「flatt」では、「ライフスタイルとしての写真とタムロンレンズ」をコンセプトにコラムを書いています。
【写真家サイト】
- WEB:https://photoli.jp/
- Twitter:https://twitter.com/photoli_info
- Instagram:https://www.instagram.com/photoli_info/

古性 のち Kosho Noci
1989年横浜生まれ。世界中を旅しながら「写真と言葉」を組み合わせた作品を作るフォトグラファー / BRIGHTLOGG,INC 取締役。写真を通じ日々に心を寄せる人々が集うオンラインコミュニティ 「.colony」を主宰。世界の青を集めるのが好き。
Twitter:https://twitter.com/nocci_84
Instagram:https://www.instagram.com/nocci_trip/
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タムロン 28-75mm F/2.8 Di III RXD(Model A036)
ミラーレスに新たな風を。これまでにない美しさとやわらかなボケ味。目指したのは高画質と小型軽量の両立。世界を鮮やかに写す、フルサイズミラーレス対応、F/2.8大口径標準ズームレンズ。